いちばん近くの新聞

「夏の沖縄旅」7日目。

1泊2日の宮古島「旅中旅」もいよいよフィナーレ。

ちょうど2か月前の今日、宮古島の空港で

45分遅れの那覇行きの飛行機を待っていたのでした。

夕方になってもまだ強い日差しが降り注ぐ南国の空港、

甘やかでちょっと気だるいあのロビーの空気が

今でも鮮やかに蘇ってきます。

名物「でかうずパン」も買い終わり、

ちょっとお茶でも立ち寄ったラウンジで、

そうだ、もう運転しなくていいんだと気づいた瞬間、

迷わずオリオン生をオーダー(笑)。

おつまみに頼んだ「ちき揚げ」も美味美味。

レンタカーのナビとの相性はいまいちでしたが、

迷子になりながら、何とかつつがなく、

宮古島、伊良部島、下地島、池間島、来間島と

2日間で5つの島を快適に走り抜けました。

「旅中旅」のミッションは無事終了。

自分で自分にお疲れさま~の乾杯。

さてオリオン生を飲み干してもまだ時間があります。

45分遅れってことはざっと1時間遅れってわけで。

思わぬ時間の余裕が生まれました。

さほど広くはない宮古空港をぷらりぷらぷら。

おっ?雑誌スタンドが目に入りました。

「旅に出たら、地元紙をチェックすべし」。

野宮的旅のセオリーを思い出しました。

とはいっても新聞は那覇に本社がある二紙だよね~。

沖縄タイムスに琉球新報・・・?・・・???!

ない。宮古空港の雑誌スタンドには、どちらの新聞もない。

その代わりに堂々と置かれていたのは

「宮古毎日新聞」と「宮古新報」という二つの新聞。

驚いた~。

人口わずか5万6千人ほど宮古には

毎日発行される地元新聞が二紙もあった。

毎日取材し、編集し、印刷、発行し、

毎日それを読む人がいる。

これぞ、地域の底力であります。

誇り高き地元新聞ほど旅人の知的好奇心を満たしてくれる

自分土産はありません。

さっそく宮古毎日、宮古新報の両紙を買いました。

2015年7月2日付けの宮古毎日、宮古新報。

両紙ともトップ記事は宮古島市議会で

自衛隊配備計画に関する一般質問が始まったというニュース。

それから昨日1日から解禁になった島のイセエビ漁、

県内最高路線価格に関する記事などなど。

なるほどなるほど。

ん?「池間島 自然の神秘」?

池間島の夏の風物詩「オオガニの放卵」が30日の夜、

月明かりの砂浜で確認されたという記事です。

月に導かれるように内陸部から一斉にやってきて

潮が引き始める頃、あたりの様子を伺いながら砂浜に移動、

寄せる波に実を浸しながら放卵する様子は

まさに神秘的な生命のドラマ。

誇り高き池間民族、海人の島らしい情景だ。

「添道サガリバナ」の記事も発見。

「ライトアップ きょうまで」なんだそうだ。

夜にしか咲かない一夜限りの甘い香りの美しい花も

迷子になりながらたどりついて間近に見ることができました。

そうかぁ、本当に期間限定の貴重な体験だったのね~。

宮古毎日、宮古新報の記事がよそ事ではなく、

とっても身近に感じられます。

宮古の二つの地元新聞の紙面、記事だけではなく

「モーニング・クルーズ」の広告や地元のたたみ屋さん、

「孫も喜ぶクーラー」のコピーが秀逸な設備屋さんまで

地元密着の広告がまた実に味わい深い。

上から目線の偉そうな論評とは無縁の温かさを感じる新聞です。

「いつも、あなたの、そばに、宮古毎日新聞」。

このコピーがその在りようを端的に物語っています。

宮古島に限らず、

沖縄の活字文化の水準の高さは本当に素晴らしい。

地元出版社からは硬軟織り交ぜ様々な本や雑誌が出版され、

旅人にとっては沖縄に来て「沖縄本」を探すのが

旅の大きな楽しみになっています。

ここ宮古に地元紙が二紙もあるということは・・・、

あ、あった!「宮古島本」。

「読めば 宮古」。

タイトルが直球ど真ん中。

「さいが族編著」・・・?さいが?族?

「すんきゃー爆笑」「だいず落涙」・・・

サブタイトルに至ってはほぼ理解不能(笑)。

超面白ディープな宮古本のお話は

また明日へと続くのだ~。

(写真は)

宮古空港の売店には

朝日も読売も毎日も日経も

沖縄タイムスも琉球新報も売っていなかった。

燦然と輝く「宮古毎日新聞」と「宮古新報」。

5万6千人に支えられた

5万6千人のいちばん近くにある新聞だ。