思いこみと思いやり

ご近所スーパーに行くたびに

いつも甘く香ばしい香りに誘惑されます。

魅惑的な匂いの元は・・・「焼き芋」。

今や焼き芋は年中楽しめるようになっていた。

でも、これって、一体誰が思いついたの?

スーパーの店頭に置かれたコンパクトな専用機械で

年中ほくほくの焼き芋が販売される風景。

それはある生産者グループの発想の転換から生まれたものでした。

昨日、札幌で開催された「JAグループ北海道農業経営フォーラム」、

総合司会としてお手伝いをさせて頂いたのですが、

講演された農業ジャーナリスト青山浩子先生のお話の中に

この「焼き芋」エピソードが登場、興味を引かれました。

仕掛け人は茨城県の「JAなめがた」。

主に加工用のさつまいもを生産していましたが、収益が低迷、

これではやっていけないと生食用さつまいもに切り替えようと、

見学・視察に向かったのが、おいもをよく食べる沖縄。

市場にゴロゴロ並ぶおいもさんを見て

「この芋はどこに行くのですか?」と聞くと

「スーパーで焼き芋になるんですよ」との答え。

「えっ?!この暑い沖縄で、熱々の焼き芋???」

驚くなめがた軍団に沖縄の市場関係者はこともなげに言った。

「だって、美味しいもの、暑くたって売れるよ」。

ドッカァ~ン!目から鱗が落ちる音(笑)。

「焼き芋」は寒い冬の食べ物とばかり思っていたのは

単なる生産者側の「思いこみ」だった。

野菜売り場にさつまいもをただ並べるだけじゃなく、

年中ほくほくの焼き芋にして店頭販売すれば、

きっと生食用さつまいもの消費は伸びる!

それからというもの、「焼き芋」の味にこだわり、

素材となるさつまいもの品種、系統、澱粉量などを研究、

出荷時期、スーパーでの焼き方、売り方の提案まで行う取組に着手、

その様子は「スーパー店舗内焼き芋販売の先駆者『JAなめがた』」と

誇らしげにHPでも詳しく紹介されていました。

実際に販売を始めてみると、焼き芋を気にいったお客さんが

「へぇ~、行方のさつまいもなんだぁ~」と

生のさつまいもも買ってくれるようになったりと、

「焼き芋作戦」は消費拡大に大いに貢献しているようです。

フォーラムのもう一人の講師は

日本初の「全国翌日配達」のネットワークを作り上げた

「クロネコヤマトの宅急便」のヤマト運輸の都築幹彦元社長でした。

当時の業界常識を破ったフロンティアのお話には興味津津。

とても書ききれない発想、ヒントが満載でしたが、

特に印象に残った言葉が「失敗を恐れるな」。

「世の中の社長はみんな、失敗したくない。

何もしなければ失敗はしない。

だが何もしない会社はいずれ沈む」。

シンプルだけに核心をつく言葉です。

そして経営者の発想の原点についてこう言及されました。

「どうしたら稼げるか」よりも「どうしたらお客が喜ぶか」だと。

重い荷物を自分で運ばずに集めてあげて、

届けたい先にドアtoドアで届けてあげれば、

お客さんはきっと喜ぶ。

手間のかかる焼き芋がスーパーで年中手軽に買えれば、

お客さんはきっと喜ぶ。

その結果、会社も生産者も、稼げて、喜ぶ。

そうかぁ、

成功するビジネスの発想の原点は

「思いこみ」より「思いやり」、なんですね~。

どうしたらお客さんが幸せになれるか。

農業生産も企業経営も「幸せ想像産業」なんだなぁ。

司会席で目からポロポロ鱗が落ちっぱなしの(笑)一日でした。

う~ん・・・、

無性に焼き芋が食べたくなってた(笑)。

年中焼き芋の時代、だもんね。

(写真は)

お芋先進地、沖縄の美しいンムたち。

もしかして二度目の登場だったかなぁ?

あんまり綺麗でまたアップしちゃった。

紫のも黄色いのも、焼いても煮ても、

おいもさん、大好き!