14ヶ月後のただいま

あれから1年と2カ月。

冬の初めのある日、沖縄から荷物が届いた。

嬉しさで包みをほどくのももどかしい。

やがて青いとんがり屋根がのぞいた。

「おうちへ帰ろう」。

14ヶ月後のただいま、だ。

2年前の沖縄旅で訪ねた本島中部の陶房「火風水」。

琉球王朝時代の職人技を敬愛し、

伝統とモダンが同居した器を作り続ける奥平清正さんの陶房です。

2014年9月20日のブログ「うつわのおうち」を読み返してみると・・・、

ああ、そうでした、そうでした。、

居心地のいいお住まい兼ギャラリーで過ごした時間が蘇ってきます。

「器とは毎日の暮らしの中で使ってあげてこそ、

その魅力を増すものだと教えてくれます」って書いてるもん。

優しく温かい奥平さん、センスの良い素敵な奥さま、

お二人のお人柄がそのまま「火風水」の器に宿っていて、

「器は人なり」って、しみじみ実感したのでした。

そして、かねてより恋焦がれていた一目惚れの器、

入れ子組皿「おうちに帰ろう」と注文したのです。

屋根のついた陶器のおうちに5枚の豆皿が収まったシリーズは

器好き、雑貨好き垂涎の超人気作品で予約集中・・・らしい。

「一生懸命作りますけど・・・、

1年くらいはお時間頂くかもしれません、すみません」と

奥平さんは大きな体を小さくして注文を受けてくれたのでした。

そして、あの夏から1年と2ヶ月後、

沖縄から宅配便で我が家の「おうちに帰ろう」が届いたのです。

ありがとう、奥平さん!一生懸命、約束通り作って下さったのですね。

14ヶ月後の「ただいま」に感動です。

これよ・・・これこれ・・・想像通り・・・いえいえ、期待以上。

沖縄の美しい海の青をうつしたとんがり屋根に

素朴で温かみのある土色の壁をした「おうち」の中には

赤絵、藍、ペルシャンブルーなど絵変わりの5枚の組皿が

仲良くきちんとおさまっています。

「さあ、みんな、おうちから出ておいで」。

伝統の唐草模様や菊紋がモダンでいながら温かい。

奥平さんらしい繊細さと優しさがあふれるラインに

陶房でお話した時のはにかんだ笑顔が蘇ってきます。

ほんとに、「器は人なり」。

14ヶ月後にご本人に再会できたようで嬉しくなりました。

荷物の中には奥さま直筆の温かなメッセージとともに

塩チョコちんすこうもそっと添えられていました。

さりげない心遣いにぽっと心が温まります。

「ただいま」と帰るおうちがある幸せ。

「おかえり」と家族を迎える幸せ。

いつものように日常を過ごすことの大切さをかみしめる昨今。

青いとんがり屋根の陶器のおうちが

我が家の食卓テーブルで静かに出番を待っています。

まずは「おうちに帰ろう」仮デビューは実家の母を呼んでの

ボジョレー・ヌーヴォー・プチランチパティーで。

5枚の入れ子組皿全員が食卓に登場する本格デビューは

息子が帰省する年末ということにしておきましょう。

デビューイベントは家族の人数が多いほどいいでしょ?

ね、器さん。

冬が来たよ。

北風が寒いよ。

さあ、おうちに帰ろう。

(写真は)

14ヶ月後に帰省した(笑)

我が家ヴァージョンの「おうちに帰ろう」。

「お皿にも帰る家があったらいいな」。

そんな陶芸家の優しさから生まれた器。

眺めているだけで笑顔になれる。