美味しい匂い

さすがに、寒い。

雪が降り続ける札幌、

きょうは日中も氷点下の真冬日になる予想とか。

粉雪舞う白い冬景色を眺めながら

心はアンダルシアの太陽の食卓へ。

灼熱の太陽が降り注ぐスペイン南部、アンダルシア州。

アルハンブラ宮殿に名物バル、フラメンコ・・・。

手に取った冊子の特集コピーに思わず旅心がそそられました。

特にアラブと新大陸からの恩恵を受けた食文化が魅力的。

クミンやシナモン、アーモンド、レーズンにイチジク、ひよこ豆など、

イスラム圏の食材や香辛料を巧みに使いこなす一方で

新大陸からもたらされたトマトや唐辛子、じゃがいもなども豊富。

アンダルシアねぇ~、食べ歩いてみたいものです。

スペインと言えばバル巡りが定番ですが、

現地で何か飲み物を頼むとフリットやマリネなど

無料のちょっとしたおつまみ「タパス」がついてきます。

今ではスペイン全土の広まったこの嬉しい習慣は

実はアンダルシアの中心、グラナダが発祥とか。

1936年から始まったスペイン市民戦争後の貧困の中で

お互いが助け合い、食べる楽しみを分かち合うために

始まったとも言われているそうです。

アンダルシアの豊かで美味しい食文化は

イスラム王朝の盛衰、新大陸発見、国の内戦などなど

イベリア半島がたどってきた複雑な歴史が生んだ

かけがえのない財産でもあるのですね。

食べることは、知ること、ますます旅心そそられます。

またバルは古くから家族経営が多いのにも

ちょっと素敵なワケはありました。

バルの起源には諸説ありますが、そのひとつに、

家族の食事を作っていると、その匂いにたまらなくなった客が

一口分けてくれと言い出したのが始まりという説があります。

何だか、いいですねぇ~。

夕餉の匂いに誘われたお客に「おすそわけ」かぁ。

密室性が高まった現代ニッポンの住環境では

昔のようによその食卓を鼻で想像することは難しくなっていますが、

マンションのバルコニーは意外な盲点。

夕餉どき、何かの拍子にバルコニーに出ると、

オイルとニンニクの匂いに「あ、どこかで今夜はイタリアンね」とか

「お、お宅も今夜は秋刀魚ね」な~んてわかっちゃたり。

バルコニーの壁面にあるキッチンの排気口から

ご近所の食卓を告げる匂いが時として漂ってくるのでありました。

住民用のフィットネスとか温泉などのオプションはよく聞きますが、

集合住宅の共有スペースに「マンション・バル」なんてありかも?

ちょっと作り過ぎちゃったキンピラとかフライとか持ち寄って

よそのおかずなんそつまみながらご近所同志、ちょい呑みな~んて

ちょっと楽しい妄想をしてしまいます。

人口減少社会もちょっと楽しく暮らせそうな気がする。

さあ、今夜はメインは久しぶりの焼き魚。

礼文島直送の超特大ホッケの出番です。

ウチのバルコニーから居酒屋さんの匂いが漂うはず。

ホッケの匂いに誘われて、

誰かが訪ねてきたらどうしよう?(笑)。

ははは。

(写真は)

ちょっと珍しいカップ入りのみたらし団子。

お醤油が焦げる匂いもそそられるよねぇ~。

美味しい匂いの元には、誰かがいる。

美味しい匂いには、人の温もりがある。

だから、なんだか、ほっとするんだ。