贈る幸せ
カーネーションでも
お菓子でもなく、
母の日におもちゃを贈る。
切なくも、幸せ。
40代の女性が書いた朝刊の読者エッセイの文章に
思わず、じんわり、共感をしました。
今年の母の日、プレゼントを選びにデパートへ。
夫の母にはカーネーションと好きなケーキを。
しかし、病を患い寝たきりの母はお洒落をして出かけることも、
美味しい物を口から食べることもできない。
遠い故郷の母へ何を贈ればよいのだろう。
足を棒にして探しまわり、たどり着いたのはおもちゃ売り場。
かろうじて動く手に音の出るおもちゃを持たせたらと、
カラフルで可愛い形の赤ちゃん用のおもちゃを選んだのだそうです。
柔らかな布製で降るとカランコロンと優しい音がするおもちゃ。
母の日の贈り物をおもちゃ売り場で品定めすることに切なくなりながらも、
プレゼントができる相手がいる幸せをかみしめた。
そんな内容でした。
その昔、自分をあやしてくれた老いた母のために、
赤ちゃん用のおもちゃを選ぶ娘の気持ち。
切なくて、少し悲しくて、でもそれ以上にありがとうが溢れだしてきて、
自分でも受け止めきれない感情の波が押し寄せるもの。
かつて、亡き父が入院した時、病室で使うコップやお箸に
ひとつひとつ名前を書いた時のことが思い出されます。
幼い私の学用品に名前を書いてくれた字が上手だった父。
その人の名をプラスチックのコップに記す切なさ。
老いて衰えても、親は子に人生を教えてくれる。
人の営みは切なくも尊いということを。
あなたがかつて私にしてくれたように、
私はあなたを見守ろう。
心を贈る幸せを教えてくれてありがとう。
心を贈り、贈られ、
温かなループは世代を継いでつながっていく。
人間って、かなり素敵な生き物だ。
朝から笑顔になる金曜日。
写真の父に好物のお饅頭でも買ってこよう。
草大福がいいかな~。
(写真は)
見た目マイナス15歳の母の誕生日。
今年のバースデーケーキは
ベリーいっぱいの手作りトライフル。
いつまでも、元気でいてね。
心、贈らせてね。

