聖なる果物

雲ひとつない青空。

気持ちの良い週明け月曜日、

朝の定番、バナナ&グラノーラ入りのヨーグルトを

ご機嫌で食す、が、このところ、いささかの不安が。

バナナが消える・・・?

そうです、噂の「新パナマ病」。

パナマ運河もパナマ文書も遠い話かと思っていましたが、

新パナマ病は、私の日常を直撃するショッキングなニュース。

カビの一種がバナナの木を根元から冒す病気で

一度かかると木はもう駄目、治療法も予防法もないらしい。

アジアからオーストラリア、中東、アフリカへと被害が広がり、

「世界で最も破壊的なバナナの病気のひとつ」と

国連食糧農業機関が警戒を呼び掛けています。

美味しくて、栄養価があって、お値段もお手頃、

心から愛するバナナが食卓から消えてしまう?

実はこうした危機は過去にもあったそうです。

1900年代初め、ジャマイカで見つかり、世界的に広まったのが

クリーミーで美味しい「グロス・ミシェル種」。

ところが突然、枯れたり、黒ずんだりする「パナマ病」が発生。

原因は土壌にいるカビの一種。

世界のバナナを救わねばと、何年もの研究により、

パナマ病に強い「キャベンディシュ」という種類が見つかり、

危機に陥ったバナナ産業の救世主となったのですが、

今回、世界のバナナの主流となっているこの「キャベンディッシュ」が

新たなカビの変異体に脅かされているのであります。

なので、「新パナマ病」と呼ばれているわけですね。

でも、何故、一斉にバナナが病気になっちゃうの?

それは、バナナが持つ宿命でもあるようです。

実は原種のバナナとは黒い種だらけで果肉はほとんどない果物。

その後、バナナが交配していく中、自然のいたずらとして、

種のない、果肉たっぷりのバナナが生まれたのです。

それを人間が株分けし、繁殖させたのが、現在のバナナたち。

つまり同じ遺伝子を持つ「クローン」なのです。

ゆえに、一度病気が発生すると、一斉にやられちゃうのですね。

何だか、100年ごとに自然から試されているような気がしてきます。

毎朝、南国の美味しいバナナを手軽に食べられるのが当たり前って

そんな風に思っていた自分も試されているんだろうなぁ。

そもそも輸入自由化以前のことだって、忘れかけていたもんね。

昭和のバナナはハレの日にしか食べられな特別な果物。

運動会前、母は高価なバナナの房を子供たちに見つからないよう、

風呂敷にくるんで押し入れに隠していたんだった(笑)。

また風呂敷バナナの時代に逆戻りしてしまうのだろうか。

しかし、人間は知恵と工夫の動物、決してあきらめない。

バナナの専門家たちは100年前と同じように、

一生懸命、病気に強いバナナの品種開発に取り組んでいるそうで、

新パナマ病に強い品種も誕生したそうですが、

味がいまいちなため、さらなる改良が続けられているようです。

病原体と人間のせめぎ合い、

自然から100年ごとに出される大いなる宿題かもしれません。

頑張れ、地球のバナナマンたち。

「パナマ文書」も映画になりそうだけど、

「新パナマ病ウォーズ」もかなり劇的であります。

人間の知恵が詰まっている美味しいバナナの危機、

世界のバナナを救えるか。

バナナの学名は「ムサ・サピエンタム」。

「聖人の実」と言う意味だそうです。

聖人たちがバナナの葉蔭で休み、

身を食べていたというインドの伝説が由来とか。

毎朝のバナナは聖なる果物なんだ。

感謝して、さあ、いただきます。

(写真は)

遊歩道の梅の木。

美しい青梅が鈴なりだ。

酸っぱい青梅から甘い梅酒を作りだす。

人間の知恵は本当に凄いよね。

バナナもきっと救える、よね。