おやつにしよう

汗を流し

時に涙し

懸命に

働く人たち

おやつにしよう

日の出より先に金メダルが輝く。

またまた、嬉しい早朝を迎えました。

パリ五輪体操男子個人総合で20歳の岡慎之助選手は金メダルを獲得。

体操ニッポンにまた新しい星が誕生しました。

小さな頃から強靭な筋力、しなやか柔軟性が注目され、

その高いポテンシャルから天才少年と呼ばれた岡選手、

20歳でオリンピックチャンピオンに輝いた瞬間、

こぼれるような若々しい笑顔が弾けていました。

その晴れやかな姿と同時に強く印象に残ったのが前回王者の橋本大輝選手。

金メダルが決まって駆け出す岡選手に後ろかり寄り添う橋本選手は

本当に我が事のように嬉しそうな表情で後輩を祝福していましたが

その後、床に手をついて号泣。

2連覇を期待され順調に調整を続ける中で右指の負傷から不振に陥り、

なんとか本番に合わせて五輪に戻ってきた橋本選手ですが、団体に続き、

まさかのあん馬での落下などがあり、結果は6位。そして後輩が金メダル。

その心中を思うと、新王者を祝福する姿に、こちらが泣けてきた。

だが、試合後のインタビューで橋本選手はまだ赤い目をしながらも

「もう新しい歴史を見られて幸せです」と答えていました。

「ケガしてからここまで戻って演技することができたので。

堂々とやりきれた気持ちでいっぱいです。なんか団体金メダルだけで

お腹いっぱいなので、悔しい気持ちより幸せです」。

時々声を震わせながらもきっぱり、さっぱり答える姿に、グッときました。

金メダルを逃したけれど、後輩を祝福し、周りのサポートに感謝し、そして

これまで頑張ってきた自分をしっかり自分で抱きしめるかのようだった。

22歳の前回王者のふるまいと言葉に心底感動しました。

勝っても負けても、観ているこちらの心が

まるでシャワーを浴びたかのように清冽な気持になってくる。

パリ五輪の夏、あと何回、夜中から、早朝から泣かされるのだろう(笑)

睡眠時間の調整が大変ではありますが、ハハハ。

五輪選手のような超一流アスリートたちにとっては食べる事もトレーニング。

炭水化物や糖質など食べたいものを食べたいだけ食べることもできず、

パフォーマンスのために厳しい食事制限を続けてきた選手が多いことでしょう。

せめてオリンピックが終わった瞬間くらいは好きなモノ食べてほしいよね。

先日、NHKの「新日本紀行」の「おやつの時間」を観ました。

幸せなひとときをもたらし、仕事の大切な役割も担うおやつの時間。

宮大工の10時と3時のおやつ、鳥羽の海女が命を預け合う仲間と

かまどを囲むおやつ、遠い故郷を想うサーターアンダギーなど

おやつが様々な仕事の現場を支えていました。

再開発が進む都心の高層ビルの建設現場の10時のおやつは「塩バナナ」。

酷暑の現場での熱中症対策のために冷したバナナに食塩をかけて頬張るおやつは

カリウムとナトリウムを補給でき、働く人々のコミュケーションにもつながり、

「塩バナナ」導入以降、熱中症になる人がなくなったそうです。

何百人も建設のプロがそれぞれのスキルを活かして働く建設現場は

ひとつ間違うと命に関わる緊張感が張り詰めていますが、

塩バナナを頬張るおやつに時間だけは緊張がほぐれ、普段接することのない

作業員同士が談笑し、更なる安全確保にもつながるのだそうだ。

そんな映像を見て、思った。

汗を流し、時に涙し、働く大人にこそ、おやつの時間が必要なんだ。

江戸の中期、いまの午後2時から4時にあたる「八つ時」に食べていた軽食が

おやつの語源。朝早くから江戸の町で働く大人の世界のもので、おやつが

子どもの世界にまで広がったのは明治時代かららしい。

10時だよ。

お3時だよ。

勝負は終わったよ。

働く大人、頑張った大人たちよ、おやつにしよう。

(写真は)

夏のおやつ

冷たいあんみつ

おやつがあると頑張れる