ミルク色の神様
ぽってり福々しい頬はふわふわミルクパンのよう。
八重山の人々が愛する神様は
なんだか美味しそうなお顔をしている。
海の彼方から幸せをもたらすためにやってきた。
神様の名前は「ミルク神」。
夏の沖縄旅2016リポート、旅の前半は石垣島に三泊。
西表島・由布島・小浜島・竹富島の八重山4島クルーズや
メインアイランド石垣島の一周ドライブなど欲張り日程を堪能、
八重山諸島独特の豊かな自然・文化・食・人々に感動の連続、
あっという間に石垣ステイ最終日となりました。
朝から琉球王府時代の赤瓦のお屋敷「宮良殿内」をお散歩、
美しい藍「shimaai」の藍畑「島藍農園」訪問の前に
石垣公設市場あたりでお買い物を済ませちゃいましょう。
市場の2階にある小さなお菓子屋さん「ちょっき屋」で
ここでしか買えない巨大月餅風「丸ちょっき」をゲット、
まだ少し時間があるので、
再度、お向かいの「石垣市特産品販売センター」へ。
泡盛から黒糖、お菓子、加工品まで何でも揃う便利なスポット。
ちょっと、もういちど見てみたい民芸品があったのです。
それは、真っ白な福々しいお顔が印象的なお面。
そう、「ミルク神」であります。
真っ白なふわふわパンみたいなほっぺたに
にんまり笑った太い眉毛と大きな目、
見事なスキンヘアにそれは立派な超福耳。
一度見たら忘れられないインパクトあるお顔をした「ミルク神」。
沖縄全域に存在しますが、八重山諸島では豊年祭などに登場、
特に人々に愛され、慕われている神様なのです。
ホテルのフロントや居酒屋さんなどによく飾られていますが、
不思議な名前「ミルク神」の由来は?
実はミルクとは弥勒菩薩の沖縄での呼び名。
弥勒菩薩はお釈迦様の入滅後56億7千万年後に出現し、
人々を救済する未来仏ですが、沖縄では弥勒菩薩は
ニライカナイと呼ばれる海の向こうの理想郷からやってきて
五穀豊穣や子孫繁栄をもたらしてくれると信じられてきました。
つまり、ミロク(弥勒)→ミルクというわけ。ミルクパンじゃない(笑)。
ことに八重山諸島では豊年祭などでミルク神が子どもの行列を携えて
練り歩く行事が各地に伝えられていて、その際の仮面なのでした。
だがしかし、八重山のお祭りに現れるミルク神、
白く大きな仮面をかぶり、黄色い法衣をまとい、
色鮮やかな杖と日月の扇を持った姿は
弥勒菩薩というよりも、どう見ても布袋様のよう。
なんでもミルク神が伝わったルートに関係しているらしく、、
布袋様を弥勒菩薩の化身と考える
中国南部やインドシナ半島の信仰の影響なんだとか。
八重山のミルク神は朝鮮半島から南下した弥勒菩薩信仰と、
造形的には中国南部やベトナムの弥勒菩薩信仰、
つまり北と南の両方の信仰の影響を受けた独自の形なのですね。
しかもこのミルク神、豊年祭の行列のときには
お付きの子ども、童たちが転ばないかと気遣いながら、
左右をゆっくり振り返りつつ歩みを進めるだそうです。
未来の象徴である子どもたちを祝福、慈愛あふれるミルク神。
お顔はちょっとおっさんですが(失礼!)なんて素敵な神様だろう。
市場の2階、特産品センターでみかけたミルク神の仮面、
島の匠が伝統的技法で丁寧に作られた作品らしく、
お値段は3万円以上、しかもサイズもかなり大きい。
我が家にもおいで頂きたい気持ちはやまやまですが、
予算的にもサイズ的にオーバー(笑)残念ながらあきらめました。
八重山の人々に幸多かれと福々しいお顔に別れのご挨拶、
さあ、美しい藍畑を訪ねましょう。
さよなら、ミルク神。
またね、ミルク神。
(写真は)
ね?存在感あるでしょ?
石垣島で出会ったミルク神の仮面。
しかし、お隣の「オホホ神」?も気になる・・・。
八重山諸島、興味深い神様ばかりだ。

