冬鰯と紫式部

ふふふ。

夫も鰯好きで良かった。

和歌で仕返ししないですんだわ(笑)。

美味しい鰯と紫式部の物語に

おもわずにんまりの冬の夜。

恒例の我が家の金曜ごはん。

夫婦二人でお互いの1週間をねぎらう食卓、

昨夜のメインは冬の鰯。

鱈や牡蠣など冬の魚介が並ぶ鮮魚コーナーで

それはピカピカした活きの良い北海道産の鰯を発見。

鰯って夏の魚というイメージがありますが、

漁獲量に変化はありますが、実は年中獲れるのですね。

よし、今夜は冬鰯。

真鰯は回遊魚、春に北上し、秋から冬にかけて南下、

この南下する「下り鰯」は脂がのって美味とされます。

12月の冬鰯、確かに大型、身はぷりぷり、美味しそう。

近頃マイブームの香草パン粉焼きにしちゃおうっと。

秋鮭、鱈ときて、今度は冬鰯でトライ。

季節ごとの旬のお魚を同じ調理法でいただくのも乙なもの。

それぞれの素材、個性、味が際立って、実に面白い。

レシピはいつも通り。

ル・クルーゼのオーバル皿に薄くオリーブオイルを敷き、

農家さん直送のメークインをスライスして並べたら、

塩胡椒した冬鰯を皮目を上にしてキレイに載せて、

フレッシュタイム、にんにく入りの香草パン粉をたっぷりかけて

高温のオーブンで30分ほど焼いたら出来上がり。

う~ん・・・オーブンから食欲をそそる匂いが・・・。

こんがりキレイな焼き色がたまらない。

さあ、熱々を召し上がれ~。

「いっただっきまぁ~す!」「うんまぁ~い!」

夫婦揃って同じリアクション(笑)。だって、ホントに美味しいんだもん。

冬鰯の香草パン粉焼き、秋鮭や鱈とはまた違った陽気な味がする。

香ばしいサクサクの食感をまとった鰯はちょっとシチリアっぽい(笑)。

サクサクパン粉をかけたシチリア名物、鰯のパスタを彷彿とさせる。

北海道太平洋岸を南下してきた鰯だけど、地中海っぽいのよ。

ハーブ&にんにく&オリーブオイルをまとってるからだろうね。

雪景色の札幌で南イタリアの夢を見る(笑)。

いや、それにしても、つくづく、夫も鰯好きで良かった。

時を遡ること、平安時代、鰯が大好きだった紫式部さん、

夫の留守中に隠れて焼いて食べたところ、帰ったきた夫にバレ、

「賤しい物を食べる」と非難され、ぷちっとキレた(笑)。

「日の本に はやらせ給う いわしみず 参らぬ人は あらじとぞ思ふ」と

文学妻は当時ブームだった石清水八幡宮と鰯をかけて和歌を詠み、

速攻、反撃したのでありました、と伝えられています。

ったく、こんな美味しいお魚を嫌うなんて、

あなたの感性を疑っちゃうわ、ぷんぷんっ。

紫式部さんのぷりぷりぶりがよく伝わってくる逸話でありますが、

良かったぁ、ウチの夫は妻に輪をかけた鰯好き。

昨夜の冬鰯の香草パン粉焼きも妻の2倍は平らげた(笑)。

おかげで夫の留守に隠れて食べる苦労もないし、

下手な和歌を詠む必要もない。鰯好きの夫に感謝。

そんな逸話からか宮中の女房言葉では

鰯のことを「紫」「御紫(おむらさき)」などと呼ぶそうです。

ん、ここで一句。

「冬鰯 夫婦仲良く ごちそうさん」(笑)。

冬の鰯も格別ですよねぇ、式部さん。

(写真は)

北海道産冬鰯の香草パン粉焼き。

えっと・・・見た目は秋鮭、鱈とほぼ同じ。

わずかに突き出る可愛い尻尾で見分けて下さい(笑)。

旬のお魚の美味しさが沁み込んだメークインも最高。

また・・・食べすぎちゃったよ。