着る黄金

泥の中から生まれる黄金。

世の中の美しい物には

驚くような物語がある。

中国で蘇った幻の布。

その名は「香雲紗」。

「復活遂げた『着る黄金』」。

朝刊のファッション関連の頁に載っていた囲み記事の見出し。

「着る黄金」?思わず興味をそそられました。

中国で長い歴史を持ちながら一時は生産停止に近かった高級素材が

近年、復活を遂げたのだそうです。

それが広東省の最高級シルク「香雲紗(シャンユンシャ)」。

光沢のある比較のような風合いを持つ特別な絹織物で

簡単に洗えて乾きやすいため、暑い夏の日でもさらっとして涼しく、

夏服の最高級素材として知られていたとか。

「香雲紗」は明朝時代の永楽年間(15世紀)には

貴重な絹織物として海外にも輸出され、

そのお値段は銀12両、値段が最も高価なシルクでしたが、

1960年代の文化革命時代、高級贅沢な物が批判されたため、

しばらく姿を消し、その技術を継ぐ者も少なくなっていきました。

しかし、時代は変わり、90年代の終わり頃から

天然繊維や伝統手法に価値を見いだす動きが高まり、

幻の絹織物「香雲紗」も再び注目されるようになり、

大規模なファッションショーも開催され、

中国全土で人気急上昇しているのだそうです。

2008年には「国家級非物質文化遺産」にも認定された「香雲紗」。

特筆すべきは気の遠くなるような手間がかかったその作業工程。

天然の桑で育てた繭の絹糸を使った織り上げたシルク生地を

ソメモノイモの塊茎の絞り汁にシルクを浸しては晒す作業を

30回以上繰り返して茶褐色に染め上げ、

最後に河川の泥を布の表面に塗り、太陽の下で干すのだとか。

1週間かけてタンニンと鉄分の酸化作用で黒く変色させ、

柄入りの場合はここから更に染色するのだそうです。

ひょえ~、書いてても、複雑すぎて、気が遠くなる。

昔は銀12両だったというのもわかります。

まさに「着る黄金」。

そう、大地の豊かさと人々の手間が生んだ「着る黄金」。

その土地のおイモさんで繰り返し染め、河川の泥を塗り、

お日さまの力を借りて完成する「香雲紗」。

泥の中から生まれる美しい絹織物。

まるで蓮の花のようだ。

天の恵みと惜しまぬ手間が生み出す「着る黄金」。

中国の雄大な河川の泥から生まれる「香雲紗」。

一度、実物を見てみたいものです。

どんな手触りなのでしょう。

ほのかに蓮の花のような香りがするのかもしれない。

ふふ、想像するだけで、うっとり。

(写真は)

北海道の大地が生んだ二つの食べる黄金。

北海道産小豆と北海道産かぼちゃ。

母から差し入れの「冬至かぼちゃ」。

甘さ控えめ、塩加減が絶妙。

また、寿命が延びちゃった(笑)。