カカオベルトの旅
地球儀の真ん中あたり。
赤道をはさんだ熱帯雨林から
雪降る北海道までやってきた。
硬派なチョコを味わいながら
長い長いカカオの旅路を想う。
世の中はバレンタインシーズン真っ盛り。
デパ地下もスーパーも和菓子屋さんも
この季節は甘いチョコの香りに包まれます。
さあ、今年はどんなチョコを贈りましょうか。
なんて、実は、もう決めてあるんだもんね♪
2017年のテーマは「カカオベルトの旅」。
世界中からやってきたカカオ豆の個性を生かし、
焙煎から全ての工程をゼロから行う「Bean To bar」。
今やチョコレート界の新潮流として大注目されていますが、
札幌にも素敵なファクトリーがあるのです。
「Saturday’s Chocolate Factory Cafe」。
場所は観光客で賑わう二条市場の近く、
いわゆる創成川イーストの一角。
2015年5月にオープンしたお店の外観はシンプルな白い壁。
店内の内装デザインも木をふんだんに使ったDIYテイストで
ハイセンスながら、とても親しみやすく入りやすい空間。
入ってすぐの大きなテーブルにはお洒落な包み紙をまとった
シングルオリジン(単一品種)のチョコレートが
すっきりと男前に並べられています。
いいですねぇ~、小細工無用、原料主義の硬派チョコ。
男性一人でも安心してふらりと入れます。
さすがバレンタインシーズンとあって、
店内はなかなかの賑わいですが、
デパ地下の喧騒とは違って、どこか心ゆったりとした雰囲気。
さあて、どのチョコレートにしようかな。
奥のファクトリーで焙煎から作られるチョコレートは
産地や地域によって異なるカカオ豆の味や香り、風味を
ダイレクトに楽しめるのが醍醐味。
ガーナ、マダガスカル、キューバ、ニカラグア、コスタリカ・・・。
熱帯の国からやってきたカカオ豆が
雪の北海道でチョコレートに加工されているのです。
カカオが生産されるのはちょうど地球儀の真ん中あたり、
赤道をはさんだ北緯20度から南緯20度の「カカオベルト」と呼ばれる地域。
カカオは太い幹に直接20cmほどの実(カカオポッド)をつける不思議な植物で、
分厚い殻の中に白く甘い果肉に包まれた種子がはいっていて、
この種子がチョコの原料となるカカオ豆。
赤道直下のカカオベルトで収穫されたカカオ豆は
独自の方法で発酵させ、水分6%くらいまで乾燥させたのち、
世界中のチョコレート製造国に輸出されるというわけです。
熱帯生まれのカカオ豆たちもまさか雪の札幌まで旅するとは
思っていなかったかもしれませんね、寒くてびっくりでしょ?
遠い遠い旅を経てやってきたカカオ豆は
それぞれの個性を生かして焙煎、精錬、テンパリングなど
さまざまな工程を経てチョコレートとなり、
「Saturday’s」の店頭に並ぶのでありました。
店内ではじっくりそれぞれの味をテイスティングできます。
カカオ豆って、こんなに個性的なのと、驚愕。
柑橘系のような酸味があるもの、赤ワインのような熟成感があるもの、
ナッツやバナナの風味を感じるもの、スパイシーなもの・・・。
小さな欠片を口に含み、そっと目を閉じると、
そのカカオ豆が生まれた熱帯雨林が見えるような気がしてきます。
濃密な滴るような緑、熱帯の鳥の甲高い鳴き声、極彩色の蝶の羽ばたき。
まるでルオーの絵の中に迷い込んだような気分。
おっと、一人で妄想してる場合じゃなかった(笑)。
気がつけば次から次へとお客さんが入ってくる。
え~っと、じゃあ、
今回は「キューバ」「ニカラグア」「コスタリカ」の3カ国をセレクト。
パスポートのいらないカカオベルトの旅を楽しむことにしましょう。
甘いカカオの香りに見送られてお店を出る。
氷点下の札幌は粉雪が舞っていた。
(写真は)
北緯43度のBaen To Barショップ
「Satueday’s Chocolate Factory Cafe」
熱帯から旅したカカオ豆が
雪の札幌で美味しいチョコになる。
素敵な旅物語。

