豊穣なる皿
銀色のお盆は
悠久の国の食宇宙。
色とりどりのスパイス、
豊かな大地の恵み、
南北インドを味わう春。
春分の日、お彼岸ランチの行先は
本格インド料理が味わえる「ジャドプール」。
札幌・円山の住宅街に佇む一軒家レストランです。
自然素材を使った居心地の良い店内で
札幌でも珍しい南インド料理と北インド料理の両方が楽しめるとあって、
今や予約必須の人気店。
厨房で腕を振るうのは南インドと北インドの料理人2人。
昨日ご紹介した南インドの定食「ミールス」に続いて
本日は北インドの定食「ターリー」をリポートしましょう。
米が主食、野菜や豆中心のスープカレー系が多い南に対して、
北インド料理は小麦が主食、イギリスやアラブの影響を受け、
バターや生クリームの乳製品やナッツやフライドオニオンなどを使用、
濃厚でリッチなカレーが多いのが特徴。
ナンにタンドリーチキンといった日本でおなじみのインド料理は
ほとんどが北インド料理なのですね。
「はい、お待たせしましたぁ。ターリーです」。
北インド出身らしき料理人さんが大きな銀色のお盆を運んできました。
おおお・・・数種類のカレーにスパイシーな副菜、香辛料にダヒ(ヨーグルト)、
真っ白なパスマティ米、添えられた籠には」焼きたての全粒粉チャパティ。
そして「追加のナンですねぇ」。ふふふ、やっぱりナンははずせない。
華やかな見た目は南のミールスとほぼ同じですが、
バナナのような緑の葉はありません。
「ターリー」とは「お盆」という意味。
大きなお盆のような一皿にいくつものおかず(カレー類)と
主食であるナン、チャパティ、米が載った北インドの定食で、
現地を旅行すると色々土地柄を感じられるターリーがあるそうです。
さっそく円山「ジャドプール」の「ターリー」で
美味しい北インドを旅していきましょう。
まずは北インドの定番カレー「ダル(豆)カレー」。
う~ん、優しい豆の風味に癒される、おふくろの味ね。
メインのカレーは「バターチキン」をセレクト。
イギリスの影響を最も受けた西洋レシピのカレーだけあって、
エキゾチックな香辛料とバターや生クリームが複雑に融合、
濃厚でリッチなコロニアルな味わいが絶品。
北インドのカレーはとろりとした仕上がりなので、
焼きたてのナン、全粒粉のチャパティによく絡み、美味美味。
副菜はタンドリーチキンとキャベツのサブジ。
ひよこ豆のサラダも優しい味わいでほっとする。
酸味や爽やかな辛みが特徴的な南インドの料理に比べると
北インドのお料理は全般的に辛さはマイルド、
インド料理が初めての人やお子さんでも馴染みやすいかもね。
80代の母も特に「バターチキン」がお気に入り、
ちぎったナンで銀色のボウルを最後の最後まで
きれいにぬぐっておりました(笑)。
春のお彼岸ランチ。
夫と母と3人、南北インド料理を見事、完食。
からっぽのターリー&ミールスに厨房の南北料理人さんも
さぞや喜んでくれたのではないでしょうか。
美味しく食べて、日本&インドの国際交流に貢献?
悠久の国インドを旅したくなりましたぁ。
南北で大きな違いがあると同時に
州によっても実に様々な食文化があるインド。
気候、風土、宗教、文化、多様性が息づく国。
バックパック背負って旅してみたくなる。
ああ、「深夜特急」症候群にかかりそう(笑)。
インド、魅惑的すぎるぜ。
(写真は)
北インドの定食「ターリー」。
小麦の主食にあうこってりまったり系カレーが多い。
タンドリーチキンはアラブの影響、
乳製品は西洋からもたらされたもの。
世界史を舌と胃袋で体感できる
豊穣なる皿だ。

