さえだ満開

さえだ。

なんとも趣のある言葉。

小さな枝と書いて、さえだ。

かりっ・・・。

音までがおくゆかしい。

「さえだ」。

古の美しい名をもつのは

銀座の老舗「たちばな」のかりんとう。

ホワイトデーに知人から頂戴したのですが、

明治42年(1909年)に創業した百年老舗の逸品は

ただのかりんとうとはわけが違います。

お店のサイトはなくネット販売も通販もありません。

デパートでの取り扱いや出店もなし。

銀座8丁目の細々した路地に佇む風格あるお店に

足を運んで手に入れるしかない貴重なかりんとうなのです。

松葉の熨斗紙がかけられ、上品で美しい包装紙で包まれた

「たちばな」のかりんとうは至高の手土産。

昔から親しまれてきたかりんとうには、

「東京かりんとう御三家」というのがあるそうで、

「ゆしま花月」「浅草小桜のかりんとう」そして「たちばな」の三店。

その御三家の中でも銀座のお店でしか買えない「たちばな」は

レア度から言っても、別格のかりんとうらしい。

なかでも朱色の丸缶はもらってうれしい筆頭おやつ。

さっそく可愛い缶を開けてみましょう。

おおお・・・なんとお上品な小ぶりのかりんとう。

見た目はつやつや、お肌もなめらか、

何層にもわたり白砂糖の蜜で完璧にコーティングされていて、

庶民のおやつがもはや芸術の域に到達している。

さすが銀座の老舗。

かりんとう専門店「たちばな」のかりんとうは2種類のみ。

短くてちょっと太めのころりとした「ころ」と

細目ですんなりした「さえだ」。

頂いたのはスマートな「さえだ」。

かりっとした心地よい歯触りと香ばしい生地に加え

細いため中まで蜜の味がしっかりしみています。

う~ん、やっぱり美味しい。日本一お上品なかりんとうだ。

「おかりんとう」と呼びたくなる(笑)。

そしてなんともゆかしい響き「さえだ」。

小枝を意味する古い言葉です。

若い世代にはなじみのない言葉かしらと思ったら

なんとビックリ、春に新調したわが最新パソコン、「さえだ」と入力すると

変換候補に「小枝」とちゃんと表示されるでありませんか。

電脳世界は日々進化、趣ある日本語もちゃんと理解してくれて、

わが相棒がますます愛しくなってきます。

春のぽかぽか陽気が続き、

一気に雪解け、花壇の雪もすっかり消えました。

桜並木のさえだ(小枝)のつぼみも

こころなしかふっくら膨らんできたような。

桜色のさえだ満開の季節をまちながら、かりっ。

至高のかりんとうにうっとりの春。

(写真は)

やんごとなき「おかりんとう」

「銀座たちばな」の丸缶入り「さえだ」

かりんとうも朱色の缶も美しい。

食べ終わったら何を入れようかしら。

楽しい余韻が続く逸品。