サンゴ礁の赤い戦士~沖縄夏旅2017・vol.3

情熱のレストラン。

真っ赤な薪の炎に照らされて

青い海を思い出しているのか。

サンゴ礁からやってきた

誇り高き赤い戦士よ。

沖縄夏旅2017、梅雨明け夏本番の那覇に到着。

いきなり初日のディナーから最高の幕開け。

沖縄を夢中にさせた料理人が今年5月、

夕陽の美しい北谷砂辺にすんごい食空間をオープン。

「Retaurant ARDOR(アルドール)」。

ARDORとはラテン語で「情熱」という意味。

島食材、日本、世界のおいしいものを

フレンチ、イタリアン、スパニッシュ、スイーツの

精鋭シェフたちが腕を競うライブ感溢れる食の劇場だ。

沖縄在住の知人が金曜夜のディナーを予約してくれて

運よく、噂の最先端スポットで初日の晩餐。

沖縄夏旅、いきなりクライマックスがやってきた(笑)。

金色の蛸の鋳物のドアハンドルを押して、

アートな赤い小部屋を通り過ぎると、

目の前に新鮮な食材を載せた一艘のボートがお出迎え。

横に広がる開放的なオープンキッチンでは

薪と炭火のオーブンの前でシェフが魅惑の一皿を仕上げている。

お腹をすかせた観客をもてなす沖縄キュイジーヌ情熱劇場。

さあ、メニューを開いて今宵の晩餐の幕開けです。

薪の炎に頬を照らされながら、まずはオリオン生!

と思ったら、生ビールはサッポロだった(笑)。

ま、沖縄初日の夜をサッポロ生で乾杯、というのも乙なもの。

帰りは代行サービスを頼むしね、心おきなくカンパ~イ!

前菜の盛り合わせから大満足。

自家製豚頬肉ハム、自家製オイルサーディン、茄子の炭火焼き、

ミーバイのカルパッチョ、特製トルティーヤ・・・どれも絶品。

情熱劇場、今宵の演目にますます期待がたかまる。

メインは・・・まずはお魚、沖縄のいまいゆ(鮮魚)を

目の前の炭火オーブンでお料理してもらいましょう。

おすすめの「トガリエビス」をおすすめのトマトソースで。

とは言え、「トガリエビス」?初めて聞く名前。

「あの赤いお魚だよね?」「どこが尖っているんだろうね?」

赤々と熾きた炭火の上の新鮮なお魚を眺めながら、

わくわくする食空間にカウンター席の話も弾む。

「お待たせしました。トガリエビスの炭火焼きです」。

ちゅらさんな女性スタッフが運んできてくれたその一皿。

キンメダイに似た赤色のお魚が

炭火でこんがり香ばしく焼き上げられ、

新鮮なトマトを使った絶品ソースをまとっています。

いただきま~す!

おおお~、皮はパリっ、身はふんわり優しい白身、

ほのかな甘みと程よい脂がのっていて超美味。

「炭火は違うねぇ~」「遠赤外線効果?」「ガスではこうは焼けない」。

美味しい料理に舌もフォークも良く動く(笑)。

しかもこのトマトソースが最高。お魚によって

バター風味のソース、ヴェルテ(緑)ソースなどが選べるのですが、

シェフから「トガリエビスにはトマトソースが合います」とアドバイス、

さすが、仰せの通り、抜群のマリアージュ。

ドライトマトのように味をぎゅっと濃縮させた甘みと酸味がたまらない。

こんなトマトソース、どう作るのか、素人には想像がつかない。

プロの技にうっちゃられる快感。

それにしても「トガリエビス」とは?

何でも「知っていたら達人級」のお魚らしく、分類としては

キンメダイ目イットウダイ亜目イットウダイ科イットウダイ属トガリエビス。

ほほ~、やっぱりねぇ、キンメダイらしい甘みと脂ののり方。

漢字で「尖恵比寿」と書き、由来は吻(口先)が尖って長いためとか。

赤い鯛のようですが、つんと口先が長いのがユーモラス。

沖縄本島では「マシラカー」宮古島では「ハスナガ」、

八重山では「オマサキノオクサン」と呼ばれるらしい。

オマサキの奧さん?地方名もユニーク(笑)。

お魚の美味しい北海道に住んでいますが、

沖縄のいまいゆ(鮮魚)は北の魚とは違う魅力がいっぱい。

沖縄は漁場と消費地が近いため、

近海の超新鮮なお魚が食べられるのですよ。

しかも見たことも聞いたこともない南国のお魚との遭遇は

美味しいサプライズに満ちていて最高。

沖縄に来たら、いまいゆ(鮮魚)を食べるべし。

トガリエビス君。

青いサンゴ礁の海にすみ、

昼間は岩穴などでのんびりお昼寝しているらしい。

群れをつくることもありますが、中には単独で生活する個体も。

鋭い棘と鮮やかな紅色の鰭をもつことから、英語では

「スカーレットフィンソルジャーフィッシュ」と呼ばれているとか。

紅色の鰭を持つ孤独な戦士かぁ。

カッコいいゲームキャラクターのようだ。

青いサンゴ礁の海の赤い戦士よ。

夜の海は美しかっただろうね。

キミも孤独なサムライのように

南国の海を泳いでいたのだろうか。

トガリエビスに心からの敬意を表しながら

きれいにきれいに完食させていただきました。

いまいゆ、最高。

さあ、お次はやんばる島豚だ。

情熱グルメ劇場、明日へと続く。

(写真は)

炭火の上に赤いお魚。

キミの名はトガリエビス。

またの名をスカーレットフィンソルジャーフィッシュ。

お隣では赤々と薪の炎がたちのぼる。

さあ、ワイルドにお肉だぁ~。