南のジャパンブルー

美しい艶。

鮮やかな色彩。

精緻な工芸技術。

五百年の歴史を誇る琉球漆器の

新しいジャパンブルー。

夏の沖縄旅2017・最終盤7日目は朝からお買い物三昧。

首里の老舗で伝統の琉球菓子、丸玉製菓工場まで出かけて

焼きたてのタンナファクルーをゲット、

開南「仏壇通り」では沖縄の祈りの心に触れ、

公設市場界隈で遅めのランチをとった後は

沖縄伝統の保存食「スーチカー」を買い求め、

市場のアオシス「コーヒースタンド小嶺」の

名物冷やしレモンで元気をチャージ。

ここで一旦市場のアーケードを抜け国際通りへ。

午後の日差しを浴びながら、ぶらり散歩。

お土産屋さんなどが賑やかに並ぶ奇跡の1マイルのなかに

琉球王朝時代から五百年の伝統を今に伝える老舗があります。

琉球最古の老舗「角萬漆器」の国際通り店。

前島の本店には行ったことがありますが、ここらで目の保養、

美しい琉球漆器を拝見するとしましょう。

本店に比べるとコンパクトな店構えですが、

一歩、店内に入ると、その美の世界は圧巻。

美しい艶、鮮やかな色彩、堆錦や螺鈿細工などが施された

沖縄伝統の琉球漆器の名品が出迎えてくれました。

琉球漆器は県内でも高級な贈答品というイメージが強く、

観光客にもやちむんや紅型、琉球ガラスほど知られていませんが、

国宝の首里城も美しい琉球漆器の技法で彩られているように、

南国沖縄は実は大変な漆器大国なのでした。

琉球王朝時代に中国から漆器の技術が伝えられ、

亜熱帯気候の温度と湿度が漆加工に最適だったこともあり、

琉球漆器は外国への献上品や

祭祀で用いられる神聖な器としてさまざまに発展、

沖縄独自の「堆錦」などの技法も生み出され、

南国ならではの鮮やかな漆器が作られてきたのです。

創業120余年の「角萬漆器」は

琉球王府の漆職人だった初代の技と心を受け継ぎ、

旧東宮御所への「東道盆」寄贈をはじめ、

伊勢神宮や明治神宮への奉納など、

琉球漆器の歴史的価値の向上に貢献する老舗。

しかし老舗こそ時代の革新者なのでありまして、

沖縄伝統の高級品である琉球漆器に

まったく新しい風を吹き込んだチャレンジャーでもあるのです。

それがジュエリーブランド「Nui Mun(ヌイムン)」。

角萬漆器の6代目嘉手納豪さん夫妻が立ち上げた新ブランド。

琉球漆器特有のつややかな光沢をいかしたアクセサリーは

とてもモダンでシンプルでハイセンス。

ひとつひとつが手作りのピアスにネックレス、バングル。

漆のつややかな表面に光がさまざまな方向に反射し動かすたびに

宝石とも金属とも違う実に美しい輝きを放つのです。

唯一無二の漆の輝き。

「本当に綺麗ですよね~」。

うっとり「Nui Mun」を眺める旅人に

お店の女性店員さんがそっと声をかけてきます。

そして鮮やかな青い漆のネックレスを取り出し、

「これが絶対お似合いだと思いますよ」と

200%の自信をもって胸元に当ててくれました。

確かに・・・。

その日ノーアクセだった白のトップスの襟元に

沖縄の海を思わせる青い漆のネックレスが

ぴたりと、シンデレラのガラスの靴のように、

そこにあるのが運命のごとく収まったのでした。

そうなのよ、店員さんに奨められる前から、

実はこのブルーに一目惚れ、していたのよ。

漆の器は黒や赤がほとんどで、

青色が使われることはまずありません。

料理との相性から用いられることがなかった青い漆を

「Nui Mun」はあえてアクセサーに大胆起用。

装う漆、への美しい挑戦が

琉球漆器の新しい可能性を生み出したのです。

漆は英語で「JAPAN」。

身に着けるだけで沖縄の美しい海に抱かれるような

「Nui Mun」のつややかな青は、

まさに、南のジャパンブルー。

「ですね、これ、下さい」。

青に魅せられた旅人は迷うことなく、

美しいジャパンブルーのネックレスをご購入。

沖縄を去る前日の買い出し日。

自分への記念品をひとつゲット。

空いていた襟元にさっそくつけましょう。

南のジャパンブルーにうっとり。

(写真は)

「Nui Mun」のアクセサリー。

素材も技法も琉球漆器と全く同じ。

軽い木材に何度も何度も塗りを重ねる。

奥の青いバングルは入荷待ちの超人気。

いつか、欲しいなぁ~。