読まない日本語
え・・・?
そ、そうだったの?
そう、読むんだったの?
し・・・知らなかった・・・。
声に出して読まない日本語。
朝の情報番組をぽけっと見ていたら
あるお蕎麦屋さんが紹介されていました。
ごく庶民的な駅前蕎麦のチェーン店でありましたが、
ナレーターが読んだその店名に驚愕した。
「なだい○○そば」。
なだい・・・?へっ?「名代」って「なだい」っと読むんだ!
え、えええ~っ!
慌てて、かたわらの夫に確認する。
「ねぇねぇ!『名代』って、『なだい』って読むの?」
「そうだよ」と、こともなげに答えた後に逆質問された。
「ていうか、今まで、なんて読んでたの?」
「う・・・声に出して読んだことなかった・・・」。
街のお蕎麦屋さんの幟や看板によくある言葉「名代」。
実によく見かけますが、そうだ、そうなのだ。
あえて声に出して読んだことがなかった日本語なのだ。
何十年もアナウンサーを続けているけれど、
原稿や台本やコメントに「名代」が出てきた記憶がない。
日常生活で目にすることはあってもそれを読んだことはなかった。
「お昼は『名代○○そば」で食べよう」なんて
お蕎麦屋さんの店名をフルネームで呼ぶことはまずない。
習慣的に「名代」はスルーして発音して何の不都合もなかった。。
だから、あらためて考えたことなどなかった。
「名代」と書いて何と読む。
多分、適当に頭の中で「めいだい」「みょうだい」なんて
読んでいたのだろうけれど、まさかまさかの「なだい」とは。
何十年もアナウンサーを続けていながらプロとして誠にお恥ずかしい。
この場を借りて深く深くお詫び申し上げます。
恥をしのんでカミングアウトするにあたって、
あらためてちょっと調べてみると、
ほっと一安心、アタシだけじゃなかった(笑)。
「ほぼ日刊イトイ新聞」通称「ほぼ日」のページで
「ほぼ日式 声に出して読めない日本語(ヨメナ語)」コーナー発見。
読めるけどいつもどっちか迷ったり、知ってるけど書く自信がないなど、
世の中のあいまいなことばを収集した、さすがほぼ日という企画。
その「ヨメナ語」に「名代」が堂々と取り上げられていたのです。
「名代 生蕎麦」の文字、読み方はどっち?
みょうだい?なだい? きそば?なまそば?
正解は「なだい きそば」ですが、
どちらもわざわざ声に出して読まない日本語の典型例だ。
「なだい(名代)」は有名なとか名前が世に知れているいう意味で
「みょうだい(名代)」は人の代理を務めること、それをする人のこと。
同じ「名代」という言葉でも読み方によって意味が違うわけで、
日本語というのは、今更ですが、奥が深い。
ベストセラー「声に出す日本語」シリーズは
名文、名文句を声に出して読むことで
日本語の魅力を再発見しようという本、
私も時々ページをめくって音読することがありますが、
言葉が持つリズムやテンポ、心に沁みる滋養を身体で感じ、
音読、朗読、暗唱の大切さを実感します。
しかし、迂闊だった・・・。
声に出して読めない日本語がこんな身近に潜んでいたとは(笑)。
日本語は美しい。
日本語は奥が深い。
声に出してみてはじめてわかることがいまだにある。
日本語は宝石だ。
(写真は)
緑鮮やかなアーサーそば。
那覇の市場食堂で食べましたが、
看板に「名代」とは書いてなかったな(笑)。
お蕎麦屋さんの幟が気になる秋、です。



