おでかけレストラン
ゴブラン織りの壁紙。
銀色の調味料入れ。
三角に折った紙ナプキン。
食欲を誘う美味しい匂い。
そこは昭和のおでかけレストラン。
季節外れの台風が接近中ですが、
昨日の札幌は奇跡のような美しい秋晴れ。
7年前の父の葬儀の朝もこんな秋晴れだったなぁ。
そんな思いに浸りながら、
金色や真っ赤な紅葉が秋の日差しに輝く土曜日、
一日遅れのお墓参りに行ってきました。
父が大好きだったどら焼きにきなこねじりに甘納豆、
素朴な駄菓子も色々織り交ぜて墓前にお供え。
りんごに柿、季節の果物に和菓子に酒饅頭などなど。
母が用意したお供えも合わさり、墓前は大賑わい。
「沖縄のお墓参りみたいだね~。宴会できそう(笑)」なんて、
母と夫と3人でほっこり笑いあう。
家族の笑顔が一番のお供え物かもしれません。
お盆やお彼岸と違ってひっそり静かな墓前で
ゆったりお線香をあげて、亡き父に近況報告。
家族みんなの健康幸福をお願いしてお墓参りは無事終了。
ちょうどお昼どき、さあ、のんびり土曜ランチにいたしましょう。
ご近所の老舗洋食レストランに予約を入れてあります。
なんと昭和34年創業、私と同い年のお店。
札幌円山の「レストラン にしかわ」であります。
1959年創業、半世紀以上に渡って地域に愛されてきた洋食店。
名前も評判も聞いていたし、お店の前も何度も通り過ぎていましたが、
なぜか一度も伺ったことがなく、ず~っと気になっていたのでした。
秋晴れの土曜日、お墓参り帰り、家族揃って行くなら
昭和レトロな洋食レストランはぴったりくる。
よし、「レストランにしかわ」初訪問、です。
2階建ての小さなビル風の建物も昭和34年建築だろうか。
オムライスやポークチャップなどの
料理サンプルが並ぶショーケースがすでに泣けてくる。
窓は曇りガラス風で店内の様子はよくわからかなったのですが、
レトロな扉を開けて一歩入ると、あ~らびっくり。
美味しい匂いと幸せそうなお客さんの笑顔が溢れていました。
外観よりも意外に広めの1階フロアは既に満席。
良かった~、予約しておいて。
「いらっしゃいませ~。ご予約のお客様ですね!」
白いブラウスにエプロン姿のウェイトレスさんが笑顔で迎えてくれる。
朝ドラ「ひよっこ」のみね子ちゃんの制服を思い出すなぁ。
「お席はお2階になります。階段気をつけて下さいね~」。
ステップが狭めのちょっと急な階段も昭和建築っぽい。
通りに面した窓際から秋の日差しが明るく降り注いでいる。
喫茶店風のちょっと懐かしい低いテーブルとソファのセットと
奥まったコーナーにはレストラン風のテーブルセットがあり、
静かな奥の方のテーブルに落ち着き、さあ、注文。
分厚い皮の表紙のメニューが老舗洋食店らしい。
外食は普段おうちであまり食べないメニューがいいわよね~。
う~ん、ハンバーグも鮭のバター焼きもそそられるけど、
朝からもう頼むお料理は決まっていたんだ。
我が心の「エビフライ」!
ん、待てよ、本日のおすすめ定食の写真に吸い寄せられる。
「エビフライ、カニフライ、ホタテのバター焼き定食」。
おおお、これだ~!海鮮色々洋食に決定。
母は道産牛ヒレステーキ、夫は道産牛のサーロインステーキ、
ガッツリ肉系と魚系、ウェイトレスさんに注文し、しばし談笑。
昔懐かしいゴブラン織風の壁紙、絢喫茶風の木のインテリア、
フライやステーキが焼ける美味しそうな匂いと
お料理を待つお客さんの楽し気なざわめきが心地よく混じりあい、
一気に昭和のあの時代にタイムスリップしてしまう。
「なんか、パーラー・コサイ、思い出すね~」。
向かいに座る母に話しかける。
「ほんとだね~、よくエビフライ食べたよね」と母。
高度成長期の室蘭でよくおでかけした喫茶兼洋食店の風景が蘇ってくる。
小さめのエビフライが銀色のお皿にいっぱい載っていたっけな~。
ウスターソースや塩、胡椒や爪楊枝が載った銀色のトレイも、
三角に折った紙ナプキンもパーラー・コサイとおんなじだった。
ご近所にこんなに懐かしい昭和レストランがあったんだね~。
夢中でエビフライを頬張るおかっぱ頭の向かいで
「美味しい?」とほほ笑んでいた若かった母。
半世紀経った秋晴れの土曜日の洋食店で
同じようにほほ笑みながらヒレステーキを元気に頬張っている。
秋の日のおでかけレストランで
美味しさと穏やかな幸福をかみしめる。
(写真は)
昭和レトロな洋食店。
土曜日のおすすめ定食
エビフライとカニフライとホタテのバター焼きに
自家製タルタルソース、新鮮野菜サラダ、
ドレッシングもマカロニサラダも自家製。
澄んだコンソメスープもプロの味。
ぺろりと完食、ごちそうさまでした♪



