味ハラ
セクハラ、
パワハラ、
マタハラ、
色々なハラスメントがあるけれど、
そうか、これも・・・そうだよね。
「『味ハラ』を回避したい」。
朝刊の土曜版にこんな読者相談が載っていました。
20代の女子学生さんが悩んでいるのは
味ハラ、味覚ハラスメント。
甘くないお酒とコーヒーが苦手だというだけで、
周囲から上から目線で物申されるのだそうです。
ゼミ室でコーヒー通の院生から
「本当に美味しいコーヒーを飲んだことがないからだよねぇ」
なんて嫌みったらしく言われたり。
飲み会で梅酒を飲んでいると、「酒豪アピール」や
「甘い酒は子供っぽくて飲めないアピール」されたり。
あ~、わかる、なんか、わかるよぉ。
あるある、あるよねぇ~、こういうリアクション。
自分がコーヒー好きで酒豪だったらそれでいいのに、
その価値観やうざい知識を上から目線で振りかざしてくる感じ。
う~ん、めんどくさい、うざい、友だちになりたくない(笑)。
食べ物の好みや味覚は人それぞれですものねぇ~。
そこに優劣や上下関係は存在しないはずはのに、
自分自身の価値観だけが尺度になることで、
無自覚にハラスメントになるのですね。
なるほど、確かに、味覚ハラスメント、だ。
「こんな美味しいもの、食べないなんて」。
自分の好物を受け付けない人を前にしたとき、
単純にそう思うのはわかるけど、そこからが大事なんだよね。
食べ物の話は実はとてもデリケートだったりする。
試してみてもどうしても苦手だったり、
あるいは食品アレルギーだったり、
その食べ物に悲しい思い出や忘れたい記憶があるかもしれない。
少しだけ想像力を働かせれば、
「こんな美味しいもの食べないなんて、不幸よねぇ~」なんて
味ハラ満載な発言にはならないはず、なんだけれどね。
人は時として、自分の舌や味覚が絶対、って思っちゃうんだな。
というのも、自分もある意味、味ハラの犠牲者だから(笑)。
あの体験がなければ、ねぇ~。
実は、私は、漬物が大の苦手。
というか、一切食べられない。
ぬか漬けや沢庵はもちろん、梅干しも福神漬けも浅漬けも、ダメ。
野菜が発酵した匂いが・・・かすかでもあると・・・ダメなのだ。
臭いチーズは大丈夫なのに、サラダに近い浅漬けもダメ。
原因は幼少期のある出来事。
幼い私を膝に乗せた亡き祖母が
「色々食べさせなきゃ、食べるようにならない」との信念(笑)から、
白菜の古漬けをほぼ強制的に口に入れたのであります。
その瞬間の、衝撃といったら・・・。
半世紀以上経った今でも恐ろしいほどくっきりリアルに全細胞に刻まれている。
口中に広がった得も言われぬ味・・・。
小さな子供の舌には強烈過ぎる体験だったのでした。
それ以来、漬物は、お化けより、怖い。
物置の漬物樽の中で溺れる夢を見るほど、怖かったのだ。
人が聞いたら笑い話でしょうが、ホントの話。
大きくなってあれはいわゆる「トラウマ」の一種だと理解しましたが、
本日、さらに、もうひとつ見出しがついた。
そうだ、あれは、肉親の愛情からくる無自覚な「味ハラ」だったのだ。
と、ここまで書いて、ふと思い出した。
比較的好き嫌いのない息子ですが、
そういえば彼はニンジンのグラッセとグリーンピースが超苦手。
甘く煮たニンジンはどうにもダメと訴えていた。
あれ?母親のアタシ、知らず知らずに彼に味ハラしていた?
今度帰省してきたら、とっくり聞いてみよう(笑)。
味覚は、人それぞれ。
肝に銘じます。
(写真は)
千疋屋の白桃ゼリー。
以前はゼリーがさほど惹かれなかったど、
今は大好き。味ハラはなかったのね(笑)。

