トロルの森

鬼は~外、

福は~内。

怖すぎて泣きながら(笑)

豆をまいた幼き日。

トロルの森の思い出よ。

今日は節分。

まずい、子供が巣立つと親もうっかり、

豆も鬼のお面も恵方巻も用意していなかった(笑)。

まあ、いい年した夫婦が二人で豆まきもちょっと気恥ずかしいけど、

邪気は払わねばなりませんなぁ、

あとでご近所スーパーまで節分セット買いにいきますか。

息子が小さかった頃は節分も盛り上がったものです。

鬼はぁ~外っ!福はぁ~内っ!

小さな手に豆を握り締めて、渾身の力で豆をなげつける息子。

鬼のお面をかぶった夫は迫真の演技でベランダまで追い詰められて、

ひゃ~、参った参ったぁ~と退散して、一件落着。

鬼を対峙した息子のドヤ顔が可愛かったなぁ。

そしてこの時季になると思い出すのが

息子が通っていた幼稚園でのド迫力の豆まき。

スキー場のゲレンデのすぐそば、自然豊かな環境のある幼稚園は

夏も冬も園児たちが毎日元気に屋外散歩をするアクティブさが魅力で

春は山菜とり、秋は山の上で木の枝に刺した秋刀魚の塩焼きを丸かじり、

四季折々のワイルドで楽しい行事が行われていましたが、

節分もまた例外ではありません。

その日は園児たちに大人気の若い男の先生が

全身真っ赤なコスチュームに身を包んだリアルな赤鬼に変身、

豆まきの当日、園児たちが外を息をつめて見つめているなか、

真っ白な雪原の向こうから・・・ゆらり・・・と姿を現し、

じりっ・・・じりっ・・・とこちらに近づいてくるのです。

「ギャーッ!」「いやぁ~~!」「コ~ワ~いぃ~!」。

園舎に子供たちの悲鳴が響きわたる。

いや、あの風景は、大人でも相当コワい(笑)。

真っ白な雪と赤鬼のコントラストが強烈で、

それが山の奧から、じりっ、じりっと近づいてくるのですから。

トラウマになりはしないかと心配になりますが、

恐怖は勇気のエネルギーに転化し、子供たちはそれこそ渾身の力を込めて

赤鬼に豆をぶつけ、みんなで力を合わせて鬼退治。

最後にお面をとったら、コワい鬼は大好きな○○先生だったとわかって、

みんな満面の笑顔で豆まきは大団円で終了、となるのです。

毎年、節分になるとあの強烈な豆まきを思い出すのですが、

実は世界にはさまざまなコワい「鬼」がいるのですね。

巨人、竜、怪物、魔法使い、魔女などなど

「鬼」的な存在がでてくる民話は世界中にあって、

幼稚園の頃、息子が大好きだった絵本もそのひとつ。

怖い怖いトロルがでてくる「三びきのやぎのがらがらどん」。

三匹のやぎが力をあわせて大きくて超コワい鬼、

トロルをやっつけるお話は北欧神話がもとになっています。

トロルは山の中の深い谷に棲んでいて、

三匹はその谷にかかる橋を渡らなければならないという過酷な設定。

実は息子が通っていた幼稚園のお散歩コースの途中に

「トロルの橋」と呼ばれた場所があったのです。

冬は真っ白な雪に覆われた山の中の橋は

まさに今にも深い谷底からトロルが姿を現しそうで、

子供たちは冬のお散歩で、大好きでちょっと怖い絵本の「現場」を

実際に、体と柔らかい心で実感していたのですね。

トロルや鬼は、想像のものではなく、

彼らにとってはリアルな本物だったのかもしれません。

人間界とは別世界の未知なる「あちら側」から

「こちら側」にやってくる鬼やトロル。

思いがけないものを「見る」「感じる」力、

それを協力や知恵によって「乗り越える」力。

子供たちの人生でとっても必要なこと、

真っ白なトロルの森が教えてくれた。

(写真は)

えっと、

節分いわしの代わりに

今季大豊漁の超特大節分にしん。

焼魚専用皿から完全に逸脱しています。

ベッドからはみ出したお相撲さん、みたい(笑)。