人生で大切なことは

自分ひとり

じゃないんだよ

みんなと一緒に

温まるんだよ

人生で大切なことは・・・

薄いブルーグレーの秋の空。

今朝は昨日より気温が下がり、空気がちょっとキンと冷え、

おお、とうとう、ホントの秋本番を体感する朝であります。

となると、あったかい湯煙がますます恋しくなる季節ですね。

長年愛された銭湯が1年半ぶりに復活!

昨日、コメンテーターとして出演させて頂いたHBC「今日ドキッ!」の特集は

地域の憩いの場だった旭川の「菊の湯」復活の物語でした。

経営難で60年の歴史に幕を下ろした銭湯を復活させたのは

銭湯文化を愛する若者たちだったのです。

60年前に開業した菊の湯は2代目の熊谷清志さんが湯船を守ってきましたが、

コロナ禍、燃料費の高騰などで昨年3月惜しまれながら閉業しました。

人々の大切な場を復活させたいと京都を中心に銭湯文化を発信する若者たちが

経営を引き継ぎ、資金の一部をクラウドファンディングで募るなどして

菊の湯復活に向けて動き出したのです。

しかし、道のりは平坦なものではありませんでした。

老朽化したタンクや配管設備、目玉となるサウナのランニングコストなどなど、

資金面や事業計画をめぐり、心配する旧オーナーの熊谷さんと若者たちの間で

お互い真剣な意見がぶつかる様子が映像に刻まれていました。

菊の湯の灯りを再び。

新旧の思いは同じだからこそ、熱い思いが湯気をあげてぶつかるのでしょう。

その様子はまるで本物の親子のように見えました。

父が守ってきた地域の湯を息子に託す、父も息子も、

菊の湯が大切だからこそ、時に意見はゆずれなくなる。

コストを心配する父、未来を見据えたチャンレジだと食い下がる息子。

熱い議論の末、父=熊谷さんはこう言いました。

「ま、やってみれ」。

これぞ、事業承継の理想の落ちしどころないだろうか。

経験値に勝る先代が次世代に未来を託すはなむけの言葉だ。

「ま、やってみれ」。

サントリーの創始者鳥井信治郎の「やってみなはれ」精神を思い出す。

若者の冒険者としてのチャレンジジングスピリットを鼓舞する言葉。

かくして今年9月8日、菊の湯1年ぶりに復活。

自慢のサウナ、くつろげるスペース、お洒落な菊の湯アイテムなどなど

さらに新しい魅力が加わった菊の湯には多い日には閉店前の倍以上の

150人ほどの入浴客がやってくるのだそうです。

再び灯りがともった地域の銭湯「菊の湯」。

さまざまな世代がガチンコで意見を交わして復活した湯には

老若男女さまざまな世代の地域の人々やよその人々が集い、

温かな裸のコミュニケーションが生まれていました。

その映像を見ていると、幼い日の銭湯の記憶が蘇ってきました。

「今日は大きいお風呂に行こうね」と親に連れられていった銭湯。

色々な人々がいっぱいいる「大きなお風呂」はおウチとは違う。

脱衣籠の置き場所、洋服のたたみ方、お湯のかけ方、湯船の入り方、

みんなと一緒に温まる銭湯で、思いやりや世間のルールを学んだ気がする。

そうだ。

人生で大切なことは「銭湯」で教わったのだ。

江戸から続く銭湯文化はお互い様の気持で成り立つ湯煙コミュニティだ。

令和のネオ銭湯、旭川の菊の湯はこれからもずっと人々をつないでいくだろう。

旭川に行ったら、寄ってみたいなー。

(写真は)

旭川で大正13年創業

「一久大福堂」のお饅頭

あんこと銭湯が沁みる

素敵な北の街