宝物トマト

太陽の光を浴びて

すくすく育った

まんまる、

真っ赤な夏の贈り物。

宝物トマト。

夏野菜の王様トマト。

なかでもとびきりの北海道産トマトを頂きました。

平取町二風谷、シケㇾぺ川のほとりで育った、

「イコㇿトマト(ikor TOMATO」。

ひとつひとつ白い紙に丁寧くるまれて

箱の中にお行儀よく並んでいました。

二風谷のシケㇾぺ農場で

農薬を一切使用せず、化学肥料も使わず、

シケㇾぺ川のほとりで自然の力を借りながら

ひとつひとつ大切に育てられたトマト、

品種は桃太郎ですが、アイヌ語で「宝物」を意味する

「イコㇿ」という名前が付けられています。

「太陽と森の恵みをたぷり吸い込んで

安心・安全に育った真っ赤な宝物」。

箱の中に添えられていた栞に書かれていた通り、

まあ、それはまんまる、真っ赤な宝物のようなビジュアル。

内側から美味しさと健やかな栄養分が弾けそう。

う~ん・・・冷蔵庫で冷やすまで待てない(笑)。

さっそく、一つ手に取り、ささっと水洗い、

かぷっ!

まるかじりでいただいちゃいました~。

薄くハリのある果皮がプチンと弾け、

じゅわ・・・ぎゅっと凝縮された甘みと旨みが口中に広がる。

かぷ、じゅわ、かぷ、じゅわ♪

瞬く間に真っ赤なイコㇿトマト一個、完食。

凄いよ、このトマト、頭からお尻(笑)まで全身くまなく美味しい。

どうしてもヘタの周辺など日が当たりにくい場所は

若干青かったり、甘みがいまいちだったりするものですが、

どこをかじりついても間違いなく美味しい。

ひとつひとつ手をかけ、愛情をこめて

丁寧に育てられたトマトだということがよくわかります。

まさに・・・イコㇿ・・・ikor。

ん?そういえば・・・なんで「ロ」の字が小さいのだろう。

栞の表記に従って書いているのですが・・・?

小さい「ㇿ」は日本語にはない発音だそうで、

アルファベット表記の「r」の部分は

母音が続かない子音だけの音で

ロにもルにも聞こえるけれど、

アイヌ語独特の発音で正確に読むのは難しいらしい。

むむむ・・・母音を発音しない小文字発音。

これはアナウンサー泣かせの発音でありますが、

うふふ、強い味方を発見しました。

北海道新聞の電子版「道新アイヌ語小文字発音講座」なる動画。

2016年から紙面にアイヌ語の表記に独特の小文字を使うことを決め、

日本語にない音を実際に聞くことのできる動画を作成されたのです。

早速「ㇿ」の発音をチェック。

おおお~、やはり「イコㇿ」の発音が教材になっている。

ふむふむ・・・なるほど・・・確かに「r」だけの音だ。

ラ行を発音するように舌を巻いた状態のまま母音は発音しない。

無声音の子音だけを口の中で発音する。

ちょっと英語の発音に近いかもしれない。

何度も何度も動画といっしょに発音してみる。

だんだん漫画「ゴールデンカムイ」の世界に入り込んでいくような

なんとも不思議で心地よい感覚がしてきた。

言葉は発音してみてはじめて肉体を持つのだろうか。

小さな文字で表記される生きている言語。

アイヌ語はユネスコにより「危機に瀕する言語」に中でも

最高ランクの「極めて深刻」の区分に分類されています。

言語が消えようとしている。

つまり話者が激減しているということ。

北海道内ではさまざま保存活動が行われていますが、

今回「r」の発音を体感できたのは夏の良き体験でした。

ありがとう。

二風谷の宝物トマト、さん。

(写真は)

真っ赤なトマト。

太陽と森の恵みに感謝。

絶品「イコㇿトマト」。