雀の雨宿り

ごめんね。

驚かせちゃったね。

ゆっくり休んでほしかったのに。

晩夏の長雨に

突然の訪問者。

まあ、飽きもせずによく降る雨です。

北海道も秋雨前線の影響でこのところず~っと雨模様。

洗濯物を外干ししたのがいつだったか

もう忘れちゃうほど、雨が続いています。

そんな長雨が続く昨日、

チュンチュン♪チュンチュン♪

突然、雀の鳴き声が至近距離で聞こえてきました。

あれ?どこ?まさか家の中に入ってきた?と思うほど鳴き声が近い。

さらにチュンチュン♪♪、あれ?もう一羽増えた?

鳴き声の発信源はどうやらバルコニーらしい。

そ~っと足音を忍ばせて開けたガラス戸に接近。

お・・・いたいた・・・日除けの簾越しに小さな影を確認。

激しく降ってきた雨を避けるためでしょう、

バルコニーの手すりにずぶ濡れの二羽の雀が雨宿り。

いつもはふっくらしている雀さん、ぐっしょり濡れそぼり、

小さな頭の羽毛がとさかのように立っています。

野生の雀も緊急避難するほどの雨なんだね。

チュン、チュン♪チュチュン♪

びしょびしょ同士、会話が盛り上がっている。

「いや、まじ、すっげぇ雨」

「ホント、見てよ僕の頭、リーゼントだし」てな感じ?

う~ん、この「雀の雨宿り」の決定的瞬間を

スマホで写真を撮りたい衝動にかられます。

が、いかんせん、簾の細い隙間越しでは無理。

ええ~い、しようがない、

慎重に慎重に、そぉ~っと簾をするする、するする引き上げる・・・

と!その瞬間、忍び寄る人間の気配を感じ取った雀さん、

1羽がぱっと遠くへ飛び去り、

残されたもう1羽も一瞬名残おしそうに留まりましたが、

スマホを向けた途端、仲間を追いかけ、

ザーザー降りの雨の空へ飛び立ってしまいました。

あ~、本当に、ごめんねぇ~。

せっかく雨を避けて我が家のバルコニーに来てくれたのに。

羽が雨に濡れてしまうと飛べないし、体力消耗するし、

特に小さな体の雀にとっては雨宿りはまさに緊急避難。

邪魔しちゃってごめんね、驚かすつもりはなかったんだよ。

どこかで安全な避難場所見つかっているといいけど。

というわけで雀の雨宿りを邪魔しちゃった罪深い人間でありますが、

それにしても「雨宿り」って、なんか愛おしい響きのある日本語ですよね。

急に雨に降られても、今はコンビニでもどこでもビニール傘が買えるし、

札幌なんかは地下街に逃げ込めばOKだし、

「雨宿り」することも少なくなるにつれて、

この美しい言葉を使う機会もめっきり減ってきたような気がします。

「雨宿り」という言葉には忙しい現代とは違う、

ゆっくりした時の流れを感じさせる響きがあります。

そもそも「宿る」とは旅先で宿泊すること。

昔の旅は歩くのが基本。電車も車もないもんね。

雨が降ったら旅籠に止まって濡れた草鞋を脱ぎ、

雨が降りやむまでのんびり待つしかなかったわけで。

雨に降られた旅人同士、「よく降りますなぁ~」なんて

旅籠でのんびりしながら色々な触れ合いを楽しんだのでしょうねぇ。

スマホもないからSNSもメールも雨雲レーダーで予測をたてることもなく、

ただ雨が止むのをゆったり待つしかなかった時代に生まれたスローな言葉。

「雨宿り」は時間単位じゃなく、日にち単位の言葉だった。

現代人はやはりあかんですなぁ。

雀の雨宿りくらい、のんびりそっとしておいてあげれば良かったのに。

なにも、あたふた、スマホで写真撮ろうとしたりして(笑)。

せっかちな時代だからこそ、

「雨宿り」的な心の余裕を持たねばなりませんなぁ。

雀の雨宿りに

わがせっかちを反省する。

そして、まだ雨はやまない(笑)。

(写真は)

長雨の晩夏のおやつ。

見た目もお味もまんまの

「西瓜饅頭」。

西瓜味の餡には黒胡麻の種も。

久しぶりに温かいお茶でほっこり。