新涼タンドリー

空は青いけれど、

緑はまだ鮮やかだけれど

朝晩の涼やかな空気に

新しい季節を予感する。

それが、新涼。

朝刊の小さなコラムで

素敵な季語が紹介されていました。

「新涼」。

夏の一時的な涼しさではなくて

秋の始まりを思わせる新鮮な涼しさを表す秋の季語。

なんて前向きな季節の捉え方でしょう。

はっとしました、反省しました(笑)。

夏大好き人間はせつなくゆく夏を惜しんでばかりでしたが、

そうか、そうだった、夏の終わりは秋の始まり、

朝晩の涼しさは新しい季節の始まりなんだ。

心地よい空気を満喫しながら「新涼」の季節を楽しむ。

美味しいお料理を作るのにも絶好の季節。

ということで(笑)、

この週末は本日が誕生日の夫のバースデーパーティーを

ちょっと前倒しで決行、料理番として頑張りました~。

8月の終わり、つまり「新涼」の季節のお誕生日のメインは

ちょっとスパイシーで豊潤なあの一品、

家族みんなが大好きな「タンドリーチキン」。

北インドのパンジャブ地方の代表料理「タンドリーチキン」。

タンドールと呼ばれる独特の壺窯で焼かれる薫り高い一品です。

パンジャブ地方はインド有数の穀倉地帯でもあり、

良質なバターやヨーグルトなどの乳製品や

豊富なスパイスをたっぷり使った豊かな食文化が有名。

タンドリーチキンにナン、日本でもおなじみのバターチキンカレーも

じゃがいもとお豆のコロッケ、サモサもみんなパンジャブ料理。

パンジャブ州は食や飲酒に殆どタブーのないシーク教徒が多いこともあり、

こうした質の高い豊かな食文化が花開いたともいわれているようです。

そんなパンジャブ人の人生哲学は「食べて飲んで陽気になる」とか。

新涼の季節のパーティー料理に実に相応しいではありませんか(笑)。

しかし、ここは札幌、パンジャブ州ではないから

肝心の壺窯「タンドール」がありません。

むふふ、ご安心、タンドールはないが、オーブンがある。

高温のオーブンで一緒に付け合わせの野菜も焼けるので一挙両得。

さあ、新涼の季節、野宮的タンドリーチキンを焼こう。

仕込みは前日から。

骨付きの鶏もも肉の皮の表面に包丁の先でブスブス、

厚手のビニル袋にヨーグルト、カレー粉、クミンシード、チリペッパー、

パプリカ、レモン汁、にんにく、しょうがのすりおろし、

蜂蜜などを合わせたスパイシーなマリネ液に一晩漬けこみます。

しっかり、ゆっくり、しみこませるのがポイント。

あとは翌日、マリネ液をそっとぬぐい天板に並べ、

そのまわりにオリーブオイルと塩胡椒をまとわせたじゃがいもと

赤と黄色のパプリカを置いて高温のオーブンで45分ほど焼けば完成。

焼ける間にそのほかのお料理を作れるから

日本の主婦にはタンドールよりもオーブンが便利かな(笑)。

う~ん・・・秋の予感が漂う北海道のキッチンから

北インドはパンジャブ州のスパイシーな香りが漂ってくる。

さあ、焼き上がりました~。召し上がれ~。

う~ん!薫り高いチキンはほろほろ骨がはずれて中までしっとり。

じゃがいもはほっこり、パプリカは果物のように甘くなっている。

美味しんだよ、野宮的タンドリーチキンは(笑)。

ちなみにタンドリーチキンは骨付きがお約束。

骨なし鶏肉だと「チキン・ティッカ」という名前になるらしい。

一晩マリネした鶏肉は骨までしっかり味が浸み込んでいて、

ワイルドにしゃぶりつきたくなるくらい(笑)。

お行儀なんか気にしないでワイワイかぶりつくのにぴったりのメイン料理。

カジュアルな家族パーティーは楽しく過ぎていくのでした。

来年も夏の終わり、

新涼の季節にまた作ろうっと。

前向きに新しい季節を向かえるポジティブ料理。

新涼タンドリー、絶品でございました~。

(写真は)

壺釜(タンドール)なしでも

オーブンがあればできちゃうもん。

野宮的タンドリーチキン。

サンドイッチにしても美味。