早起きのパリ

パリ13区。

セーヌ川左岸。

まだ暗い秋の朝、

そのウィンドウだけ温かく明るかった。

忘れられない早起きのパリ。

朝刊より早起きの超朝型人間。

秋も深まり、日の出前のまだ暗い早朝、

淹れたてのコーヒーを飲みながら旅雑誌をぱらぱら。

特集は「新しいパリ~どこか遠くへ行きたいときに」。

う~む、深まる秋にぴったり、サブテーマも素敵よねぇ~。

朝日が昇るまで、しばし、脳内パリ旅行を楽しみましょう。

旧いバスに乗って1930年代にタイムスリップしたり、

地下を歩いてメトロの秘密を解き明かしたり、

パリ版豊洲市場であるランジス市場の早朝ツアーや

再開発されたパリの築地的レ・アール界隈を歩いたり、

一味違う秋のパリを誌上で楽しむ至福のひと時。

この街はどこを歩いても旅しても画になるのよねぇ。

そして21世紀前半の今は

パリのスイーツ黄金時代を迎えています。

1区から20区までどのエリアにもはずせないお店が百花繚乱、

伝統の老舗から若きパティシエによる注目店まで

どのページをめくても今をときめく宝石のようなスイーツばかり。

アートのように洗練されたショコラや

ロシアンテイストのラグジュアリーなパティスリーなどなど

へぇ~、あんなお店、こんなお店、ぜ~んぶ行ってみたい♪

と、脳内がパリの甘い誘惑にとろけそうになっていたその時、

あ・・・晩秋のパリの早朝の風景が蘇ってきました!

わが心の「ジェラール・ミュロ」ではありませんか。

落ち着いた石造りの建物、

ピンクと白のストライプが愛らしい庇。

伝統的なマカロンに美しいエクレール・・・。

かつて親子3人家族旅行で訪れたパリ13区の老舗人気店。

晩秋の早朝まだ暗い街を散歩しながら探し当てたことを思い出します。

勤め先へ急ぐ人々を励ますように、そのウィンドウだけが

ぽっと温かな灯りを灯していましたっけ。

季節はちょうど今頃だったなぁ・・・。

「左岸の伝説的パティスリーが新体制に」。

おっと、雑誌の見出しに軽い驚き。

1975年創業以来、パリ左岸の名店として有名なお店ですが、

創業者のジェラール・ミュロ氏が2016年に惜しまれながら引退、

「フォション」のクリエイティブディレクターとして活躍していた、

腕利きシェフのファビアン・ルイヤール氏が跡を引き継いだのだとか。

しかし伝統を大切にするパリのこと。

長い歴史が培ってきた遺産と常連客が多い地域密着型スタイルはそのまま、

古風なパティスリーやエレガントなショコラなど既存のラインアップは

ほぼすべて残しつつ、材料の質など見えない部分をブラシュアップ、

軽やかなムースなど新作を少しずつ加えながら

新生ジェラール・ミュロは以前と変わらぬ人気を博しているそうです。

営業時間を見ると・・・朝の7時から夜の8時まで。

昔も今も早起きは変わっていません。

パティスリーとブーランジェリーとトレトゥール(惣菜店)として

朝ごはんもランチもおやつも夕食のおかずもパンも、

パリで暮らす地元の人にとってなくてはならない存在として

今朝も暗いうちから店を開けていることでしょう。

通勤客に混じって、白い息を吐きながら、通いたいなぁ~。

どら焼きみたいに大きなマカロン、

パリッパリの焼きたてパン・オ・ショコラ、

濃厚なショコラ・ショー、色鮮やかなキャロット・ラ・ぺ。

早起きのパリは100万ユーロの価値がある。

ジェラール・ミュロ、ご近所にあればなぁ(笑)。

(写真は)

旧早来町の人気店。

チーズ工房夢民舎の

ショコラマドレーヌ。

洋菓子店だった歴史を伝える

地域密着スイーツ、です。

パリに負けない味だよ。