新巻き卵
卵が先か、
鹹蛋が先か。
塩と時間と知恵が
生み出した
奇跡の新巻き卵。
昨日の休憩をはさんで年末年始野宮的美味台湾旅リポートを再開。
旅の3日目、2019年元日の晩餐は「MY灶(マイザオ)」へ。
台北発のミシュラン2018でビブグルマンを獲得した人気店、
1940年代の台湾の路地裏を思わせるノスタルジックな雰囲気で
丁寧に作られた伝統的な台湾家庭料理を味わいました。
あ~満足満足。心もお腹も幸せいっぱい。
明けて翌朝、旅の4日目も台北グレーの曇り空。
帰りの飛行機の出発便は明日早朝なので、
萬華の高層ツインタワーにあるホテルでの朝食もこれが最後。
台湾名産の「鳳梨(パイナップル」に米粉麺や焼餅、炒め物、
心残りなきよう、少量多品種をお皿に載せてテーブルへ戻ると、
「これ見て、これこれ、昨夜のアレ!」と
夫が興奮気味に自分のお皿を自慢する。
ん?何だ?「昨夜のアレ」って?
各種台湾料理が盛られた片隅に半分に割ったゆで卵・・・?
いや・・・普通のゆで卵とは微妙にヴィジュアルが異なっている。
黄身は鮮やかなオレンジ色でねっとりした艶があり、
白身はほのかに青みがかった不思議な色あいをしている。
「アレだよ、アレ、MY灶の、美味しかった、アレ!」
「あ~!、ソルティ―・エッグ!塩卵!?」
例の「金沙四季豆」。
旬のさやいんげん風の豆のフリットにまぶされていた魔法の金沙。
初体験の衝撃的な旨みに驚愕し、お店の人に身振り手振りで尋問(笑)、
「ソルティ―・エッグ」との証言を引き出したのですが、
翌朝のホテルの朝食ブッフェでその実物が並んでいたのでした。
でかした!夫、グッジョブ。
「あそこのね、お粥の近くにあったよ」
どれどれ、まずは現場に臨場(刑事ドラマの見過ぎ・笑)。
おおお~、大きなお皿に半分にカットされた金沙の素が盛られている。
小さなプレートに「鹹蛋 Solted egg」と書かれていて、
お粥をチョイスした中国系のお客さんが次々とお盆に載せていきます。
なるほどね~、塩鮭やたらこみたいな中華版ご飯のお供。なわけね。
「鹹蛋(シエンタン)」とは
アヒルや鶏の生卵を塩水につけて作る塩漬け卵。
中国やベトナム、マレーシアなど東南アジア各地で見られますが、
特に台湾の家庭の冷蔵庫には必ず常備されているソウル食材。
お粥の上に載せたり炒め物にしたりと食材だけではなく、
調味料として使われることも多い万能塩卵、なのでした。
冷蔵庫がなかった時代。
美味しい魚や肉や卵を保存するために生まれた保存食。
新巻き鮭、たらこ、塩辛、沖縄の塩漬け豚スーチカー、そして鹹蛋。
人間が生きていくのに欠かせない塩と時間と知恵が生み出した魔法だ。
生卵を塩水につけて保存するなんて、最初に誰が思いついたんだろう。
オレンジ入りのねっとりした黄身をしみじみ味わう。
台湾の荒巻き卵の滋味深い味よ。
塩と時間と知恵が生み出した驚きの旨み。
中秋節に欠かせない「月餅」には
まんまるお月さまのような卵の黄身入りのものがありますが、
この黄身も鹹蛋、「鹹蛋月餅」とか「蛋黄月餅」などどと呼ばれます。
香港の甘味屋さんのお汁粉に入っていたのも鹹蛋だったのねぇ。
いまをときめく塩系スイーツの元祖かも。
さあ、鹹蛋のっけお粥などもたらふく食べたら、
いよいよ台北滞在最終日、
最後の最後までぐるり街歩きを楽しみましょう。
4日目、どこ行く?
(写真は)
台湾版新巻き卵
「鹹蛋 Solted egg」
ゴーヤーと炒めた鹹蛋苦瓜など
台湾定番料理も多いらしい。
忘れられない美味食材。

