神様のお弟子さん
真っ直ぐ伸びた
凛とした背筋。
清々しい青い法衣。
人々の平安を祈る
神様のお弟子さん。
年末年始野宮的美味台湾旅リポート。
旅の4日目、実質的な最終日の朝は初詣のはしごから。
台北最古の古刹龍山寺で3日連続のお参りを済ませた後は、
MRT(地下鉄)に乗って「行天宮」へ向かいました。
台湾の人々から商売繁盛、金運の神様として
絶大な人気を誇る関羽を祀る関聖帝君廟です。
台北市内の都心部に佇む祈りの空間。
壮麗な門を一歩入ると驚愕の光景が広がっていました。
新暦の正月2日、大規模な法会の真っ最中らしく、
夥しい人々が本殿に向かって祈りを捧げていました。
本殿前で唱えられる説法と銅鑼の音色に合わせて、
沈黙の大群衆が一斉に深く頭を垂れる様子に圧倒。
スローなリズムで続く説法は終わりそうもない。
う・・・動けない・・・歩けない・・・・。
ちゃらちゃらと観光気分でやってきた旅人は
広い境内を埋め尽くす人々の本気度に圧倒されながら、
じり・・・じりり・・・そろりそろそろ・・・
最後列の隙間をカニさん歩きで横移動しながら
何とか回廊の下までやってきました。
中国の伝統建築様式で建てられている壮麗な行天宮。
たどりついたのは前殿と正殿をつなぐ「護龍」と呼ばれる建物で、
正しい信仰を教える「宣講堂」がありました。
「宣講」とは行天宮の特色の一つで、
参拝客に関聖帝君の教えである「五倫八徳」を伝える時間。
確かに机が整然と並び、たくさんの書物もあって
まるで大学の教室のような学びの空間となっています。
その静謐でアカデミックな宣講堂で
青い法衣姿の人々が静かに書き物をしたり人々に対応していました。
男性もいれば女性もいるし、老若年齢層もさまざまですが、
真っ直ぐ伸びた背筋、清々しい佇まいが実に印象的。
いったいどういう方々なのでしょう?
毎日数万人、世界各国から参拝客が訪れる行天宮には
ちゃんと日本語のパンフレットも用意されていました。
それによると、彼らは「効労生」と呼ばれる人々で、
行天宮で修身し参拝者に奉仕することで五倫八徳を実践する、
いわば関聖帝君、神様のお弟子さん、なのだそうです。
青い法衣は反省と懺悔、道徳修行への固い誓いを象徴するもの。
なるほど、清々しい印象を受けるわけです。
青い法衣のお弟子さんたちのお役目は
日々読経し、祈り、修身し、参拝客に奉仕すること。
お線香を使わない「三跪九叩頭」という独特の祈りの作法や
赤い木片を使う「擲杯」の方法を教えてくれます。
なかでも特徴的なのが「収驚」。
人は何かに驚いたり、強いショックを受けたりすると
「魂」が抜けてしまい、思考が停滞、動きが悪くなるとされ、
こうしたときに「魂」を取り戻すの儀式のことで、
この「収驚」を行うのが青い法衣の効労生なのです。
パンフには長いお線香を頭の上にかざす写真が載っていましたが、
魂が抜ける・・・それを取り戻す・・・。
どこかで聞いたぞ、そうだ、沖縄の「マブイ」だ!
沖縄でも驚いたりショックを受けるとマブイを落とすとされ、
ユタにマブイを戻す「マブイグミ」をお願いしたりする習慣があります。
沖縄のマブイグミ、台湾行天宮の収驚、
基本的コンセプトが一緒だ。沖縄と台湾、やっぱり近い。
だから、どっちも、大好きなんだな。アタシ。
ちなみに、行天宮では
毎日午前11時から「収驚」が行われいて、
青い法衣姿の効労生が落とした魂を戻してくれるそうです。
清々しく、心強い、神様のお弟子さん。
万が一、魂落としたら、行天宮へどうぞ。
(写真は)
行天宮にて。
魂は落としてません。
元気です(笑)

