モネの一皿
白いお皿に
睡蓮が浮かぶ。
美しい島が生んだ
印象派の絵画のような
モネの一皿。
年末年始野宮的美味台湾旅リポートのファイナル編。
台北での最後の晩餐はミシュランのビブグルマンを獲得した
「茂園餐廰(マオユェンツァンティン)」。
台湾の人から絶大な支持を得ている予約必至の台湾料理の超人気店で
季節の食材を美味しい料理で提供する「メニューのない料理店」。
お店の奧のカウンターに並ぶその日仕入れた新鮮な魚貝類と
黒板に書かれた「招牌菜(おすすめ料理)」などを
参考に注文するのが「茂園」スタイルであります。
その「茂園」で一番人気の魚料理が
台湾のお漬物を載せて蒸した「塩冬瓜蒸時節鮮魚」ですが、
トラウマレベルでお漬物がNGの私、必死の努力で「塩冬瓜」を回避、
「豆鼓蒸し」に替えてもらうことに成功。念ずれば通ず(笑)。
鮮魚カウンターのおかみさん風スタッフにほっと笑顔で挨拶、
2軒隣の「離れ」にある席へと戻るのでありました。
「離れ」担当の台湾スター風のイケメン君にOKサイン♪
キミのアドバイス通り、豆鼓蒸しにチェンジできたよ~。
さあ、メニューを開いて他のお料理をオーダーしましょ。
そうなの、噂と違って、ちゃんとメニューがあったのよね。
理由はわからないが、旅行客にとってはやはりありがたいわぁ。
料理の写真と日本語も並記されている。ますますありがたい。
あれ、あれよ、絶対食べたかったあれ、あるかしら・・・?
出発前に日本で予約した時点から心に決めていたお料理があるのです。
それが「睡蓮の炒め物」。
睡蓮ですよ、印象派ですよ、モネですよ。
もう想像するだけでうっとりしてきます。
あった~、これだ「炒水蓮」!迷わずオーダー。
ほかにも気になるお料理をいろいろ注文、
台湾ビールで最後の晩餐の乾杯をしたところで、
例のイケメン君、いいタイミングで「炒水蓮」を運んできてくれました。
うわぁぁぁ・・・本当に美しい一皿。
白いお皿をキャンバスに描かれたモネの睡蓮・・・のよう。
鮮やかな緑色の華奢な野菜をしゃっきり炒めたお料理。
さっそく、いただきます。
シャク、シャクシャク♪なんという爽やかな歯応え。
水菜を100倍しゃっきりさせたようなとびきりの爽やかさ。
青菜にありがちな苦みもクセもまったくなく、
清涼で上品で涼やかな食感を味わっていると
口の中に初夏の風が吹き抜けていくような気がしてくる。
まさに・・・モネの一皿だ。
これこそが台湾野菜の逸品「水蓮菜(スイリエンツァイ)」。
蓮の葉とか、蓮の茎などと紹介されていることがありますが、
正確には和名「タイワンガガブタ」というアサザ属の水性植物で
葉柄を伸ばして水に浮くスイレンと違って、
茎を水中に6mも長く伸ばして葉を水面に浮かせていることが特徴。
可憐で美しい花をつけるため観賞用や水草としても用いられますが、
台湾では水中に細長く伸びた茎を食用にしています。
日本ではめったにお目にかかれない美しい「水蓮菜」。
台湾でも全土で採れるわけではない、限られたご当地伝統野菜。
南部の高雄市郊外の美濃という土地でだけ栽培されています。
その昔は美濃湖という湖でのみ自生していたそうですが、
需要の増加に伴って現在では湖の水を引きこんだ池で栽培され、
台湾全土にも流通するようになったとか。
美濃でしか育たない幻の野菜、だったのね~。
高雄から車で1時間ほど。
のどかな田園風景が広がる美濃は客家人が多く暮らす地域。
水蓮菜の栽培池では6mにも伸びる長い茎をダイバースーツ姿で
手作業で収穫する風景が見られるそうです。
南国とはいえ冬場に胸まで水に浸かって作業するのは大変なこと。
美しい野菜料理は忍耐強い客家の人々によって支えられているのですね。
真っ白なお皿の上の芸術。
客家の村からの贈り物。
美しい緑のモネの一皿。
水蓮菜のはざまに見えるこの実は何だ?
ん?ピーナッツ???
これがまた驚きだった!!!
知られざる台湾食材に
またまた遭遇。
一皿で二度驚いた。
不思議な木の実のお話は明日へ続く。
(写真は)
台湾でしか食べられない
初夏の風を感じる「炒水蓮」。
印象派の絵画のように美しいモネの一皿。
小さな木の実にもご注目。

