マチの名工
その道で
卓越した技を持ち
みんなを
笑顔にしてくれる
マチの名工
「またトラ」「トランプ2.0」
アメリカ次期大統領トランプ氏再来に関する記事が朝刊に並びます。
世界は、ウクライナは、ガザは、日米関係はどうなるのか。
私たちの暮らしに影響があるのか、無関心ではいられません。
こうも考えられるし、ああもあるかもしれない・・・
気がつけば、眉間にしわを寄せながら朝刊の文字を追っていましたが、
ふと、ほっと、「ああ、あのお蕎麦は美味しかったなぁ」と
ちょっとほっこりする記事を見つけました。
「江戸『更科そば』を世界へ」。
厚生労働者は昨日、各分野で卓越した技術をもつ「現代の名工」に
今年は138人を選定、その中の一人に東京・麻生十番などで
蕎麦店「更科堀井」を営む堀井良教さん(63)が選ばれたそうです。
江戸時代に生まれた「更科そば」の技術を継承しながら、
その魅力の発進につとめている「更科堀井」の創業は1789年(寛政元年)。
大名屋敷などへ出前を届けており、伸びにくいように蕎麦の実の芯だけを
使った白いおそばを作りました。
「更科そば」が別名「大名そば」とも呼ばれる所以です。
祖父の代に一度廃業したお店を堀井さんが大学を卒業した1984年に
父と一緒に店を復活させ、大量生産が主流となりつつあるなか、
戦後失われた技術を復活させようと、かつて暖簾分けをした更科そばの店主や
ともに江戸蕎麦文化を築いてきた「藪」や「砂場」などの老舗からも学び、
「更科そば」の技術を極め、後進を育成。2015年のミラノ万博で蕎麦を
ふるまったり、NYに店を構えるなど蕎麦文化の海外発信にも注力しています。
麻布十番の「更科堀井」、何度か訪れたことがありますが、いいお店でした。
自慢の更科そばの上品な香り、心地よい喉越し、きりっとしてながら、
角のないまろやかな蕎麦つゆなど、その味はもちろん最高、なのですが、
魅力はそれだけじゃないの、お店の雰囲気が、実に心地よいのですよ。
江戸蕎麦の老舗、というと、なんか蕎麦通の聖地、みたいな感じがあって、
ひと口目はつゆなしで味わえ、つゆはたっぷりつけるな、
ぺちゃくちゃ喋らずに黙って蕎麦と向き合え・・・的な、
なんというか、蕎麦の求道者でなければ暖簾をくぐれないイメージが
あったりしますが、「更科堀井」はまったくそんな感じがしないのね。
一人客から友人や同僚、家族連れまでみんな普段着なご近所さんって感じで、
蕎麦文化を極める、みたいな肩ひじ張った求道者系の姿はなく(笑)、
「いらっっしゃいませー」「更科三つー」「こちら板わさね^」なんて
注文をさばく声とわいわいお蕎麦を楽しむ人々のさんざめきが
それは美味しい協奏曲を奏でていて、旅人の耳に心地よかったのだ。
「更科堀井」麻布十番本店は居心地のよい、マチのお蕎麦屋さんだった。
ひとり旅でふらりと訪れたお昼どき、卵焼きをつまみながら昼ビール、
賑やかな雰囲気をBGMにたぐった更科そばの美味しさは言うまでもない。
きっと、どの町、村にも、愛され続ける蕎麦屋さんがあるだろう。
そんなお店は、みんな、マチの名工だと思うよ。
ああ、あったかい鴨南蛮が食べたくなった。
(写真は)
札幌円山の東家寿楽の
「天せいろ」
ご近所蕎麦屋さんは
愛すべきマチの名工だ


