1135の物語

仇討ち

時間旅行

人造人間

一人二役

1135の物語

はい、冬将軍、ご到着です。

今年もちゃんと律義に(笑)やってきてくれました。

朝、レースカーテン越しの窓の向こうが、白い。

あー、とうとう、一面の雪景色。冬が来た。

上空に強い寒気が入り込んだ影響で冬型の気圧配置となった道内、

札幌市内でも昨日からまとまった雪が降り、お外は真っ白。

道路も屋根も街路樹も白い雪に覆われ、今朝の最低気温は-3℃、

12月上旬並みの寒さですから、気分ははやクリスマス。

寒いけど、なんか、ちょっとテンションが上がるかも(笑)

これぞ、文化の集積。

朝刊の文化面に圧倒的質量を誇る一冊の事典が紹介されていました。

その名は「物語要素事典」(図書刊行会)。

愛知学院大学名誉教授の神山重彦さんが約40年をかけて一人でこつこつと

作り上げたB5判4段組み1358ページの労作であります。

仇討ち、時間旅行、人造人間、一人二役などなど

古今東西の物語に現れる1135の要素を該当する作品の筋書きと共に紹介、

取り上げた作品は約4500、物語要素別の説明は延べ1万1千超に上り、

文学だけでなく映画、演劇、漫画、昔話に都市伝説まで含まれるそうです。

いやはや、物凄い熱量と費やした長い長い時間に圧倒されます。

たとえば「記憶」の項目、小分類「失われた記憶がよみがえる」として

プルーストの「失われた時を求めて」、夢野久作「ドグラ・マグラ」、

「ドラえもん」に1編「わすれとんかち」が並んでいるのです。

プルーストとドラえもんが「記憶」という物語要素で分類することで

一気にその時空的距離が近くなるなんて、めちゃ面白い。

時代や地域や分野が異なる、遠くに離れていた物語群を

1か所に呼び集め、対面させるという実にユニークな手法です。

文学研究で「話型」「テーマ」「モチーフ」とも呼ばれるものを

物語全体を見渡す方法として「物語要素」という概念として注目、1986年から

ワープロを使って分類開始、96年に小事典「物語要素176」を刊行、

98年からウェブ公開を始め、これまでの40年の集大成として

1135の要素を網羅した「物語要素事典」が刊行されたのですね。

膨大なデータから文脈を創りだすのは生成AI の得意技ですが、

一人の研究者が古今東西の物語の森を40年間こつこつ探索したこの事典は

デジタルデータでは決して得られない体温があり、途方もない価値を感じます。

仇討ち、人造人間、千里眼、時間旅行、確かに人々を惹きつける物語要素だよね。

あ、そういえば、これも物語要素?

最近観た韓国ドラマと日本映画の新作の要素に共通点があったのですよ。

かつて心臓移植手術を受けた登場人物にドナーの記憶が蘇るという設定が

まったく違う2つの物語の、重要なファクターになっていたのですよ。

臓器移植によってドナーの記憶や性格、趣味、嗜好、習慣の一部が

レシピエントに移ってしまう「記憶転移」と呼ばれる現象は小説や映画などに

しばしば現れるエピソードで漫画「ブラックジャック」にも登場、

知られた実話もあるようですが、科学的には広く認められてはいません。

しかし、科学的に認知されていない物語要素はたくさんあります。

人造人間や時間旅行も物語の世界では「リアル」な魅力を帯びるのだ。

人間の想像力、空想力、創造力は、本当にすごいと思います。

事典に分類された1135の物語。

人は物語に惹かれる。

(写真は)

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物語要素を感じる

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