オラのベッカフィーコ

貴族が食べる

ご馳走を

オラも食べたい。

食欲と工夫が生んだ

傑作ベッカフィーコ。

首都圏を直撃した台風15号の影響で

週明け月曜日は波乱の幕開けとなりました。

最大瞬間風速58.1mを記録、街路樹が根こそぎ倒れ、

自動販売機がおもちゃのように転がっていくニュース映像に

15年前に北海道を襲った台風18号「ポプラ台風」の記憶が重なりました。

大きな被害が出ませんよう、祈るばかりです。

北大構内のポプラ並木がなぎ倒されたあの台風18号が

北海道西海上を北上し、暴風による甚大な被害をもたらしたのは

平成16年(2004年)の9月8日、今回の15号接近とほぼ同じころでした。

やはり秋の始めは台風に要注意の季節なのは令和も同じ、ですが、

あの頃と大きく違うのが、秋のお魚事情。

少ない。小さい。細い・・・。

この秋も「秋サンマ大不漁」のようで、

スーパーで肩身が狭そうに並んだ秋刀魚のお値段とスリムさに

力なく、手にしたパックを元に戻すお客さんも多いようです。

庶民の味方だった秋刀魚の不漁は懐にも胃袋にも、痛い。

が、秋サンマの代わりに好調なのが豊漁のイワシさんたち。

塩焼き、蒲焼、色々なお料理が楽しめるお魚ですが、

イタリアでもその昔から庶民の味方だったようで、

先日「BRUTUS」のイタリア料理の特集記事の中に

とっても面白いエピソードを持つ一品が紹介されていました。

地中海最大の島シチリア島の伝統料理、

「イワイのベッカフィーユ」であります。

イワシにパン粉、レーズン、松の実などを巻いて焼いた料理で、

ピンと立ったイワシの尻尾が愛らしい一品。

実は我が家の定番「お魚の香草パン粉焼き」はこのお料理がヒント。

「ベッカフィーユ」とは

イチジクをついばむツグミの一種の野鳥の名前で、

その昔、シチリアの貴族たちが狩猟で食したこの小鳥ちゃんを

「オラも食べたいと庶民が発明したもどき料理」なのだそうだ。

お腹に美味しい中身を巻き込んだイワシの尻尾は

可愛いベッカフィーユのくちばしってことらしい。

このなんちゃってベッカフィーユが、めちゃめちゃ絶品で、

今では本物よりもずっと有名でシチリアを代表する郷土料理となっているのです。

庶民のイマジネーションとユーモアと食への欲求が、

貴族料理をか~るく超えちゃった、というわけ。

凄いぞ、オラのベッカフィーユ♪

まあ、もどき料理でいえば、

オラたち日本人も負けてねぇ。

昨今の土用の丑の日は、絶滅危惧種のウナギの代わりに

イワシやサンマの蒲焼きで楽しんでいるもんねぇ。

自然の恵みに感謝しながら

オラの食欲と工夫が生み出す傑作料理。

食の醍醐味は、庶民料理にあり♪

(写真は)

オラたち(笑)の日曜ランチ。

横浜中華街展で仕入れて

冷凍ストックしておいた小籠包。

千切り生姜と黒酢でね♪

むふふ、美味。