ほっと大寒

冷ゆることの

至りて

甚だしきとき

なればこそ

ほっとコーヒー♪

今日は二十四節気の「大寒」。

暦では「冷ゆることの至りて甚だしきときなればなり」とされる、

つまり、1年で一番寒さが厳しいとされる日であります。

いつものコーヒーが一段とほっと温かく沁みる大寒の朝、

朝刊の天声人語のテーマも「コーヒー」でした。

大のコーヒー党だった社会学者の故清水幾太郎氏が

戦中戦後のコーヒー不足のことを綴ったエッセイが紹介されていました。

戦争でコーヒー豆の輸入が減り、ついに止まった時の辛さは

「終生、忘れることがないであろう」と書いているそうです。

戦後は焼け跡を歩き回り、何とかして豆を手に入れた時はうれしくて

編集者たちにふるまったところ、欣喜雀躍して飲んだ帰りに

駅のベンチで横たわってしまう人もいたとか。

何年かぶりのコーヒーに「酔った」ようになってしまったらしい。

食糧不足で弱った体に琥珀色の刺激が強すぎたのか・・・。

でも、もし、毎朝当たり前に何杯も飲んでいたコーヒーが

次第に品不足となり・・・やがてコーヒー豆が店頭から姿を消し、

何年も何年もあのふくよかな香りから遠ざけられてしまったとしたら、

きっと自分も同じようなコーヒー飢餓状態になって、

久しぶりに飲んだ一杯に「酔って」しまうかもしれないなぁ。

この世からコーヒーがなくなる日を想像するだけで、ぞっとする。

大寒の朝の温かい一杯に心から感謝、しみじみ味わうのでした。

そうだ、そうだ、本当にコーヒーは欠かせないんだ。

若きアナウンサー時代、道内ロケの仕事が多かったのですが、

何日間か泊りがけで小さな村などへ出かける時は、スタッフの誰かが

放送機材の中にインスタントコーヒーの瓶を忍ばせていたものです。

今と違ってコンビニなどない時代。

移動の途中で温かい100円コーヒーなどにありつけるはずもないし、

小さな民宿で朝の目覚めのコーヒーなど望む方がまちがってる(笑)。

だからインスタントコーヒーの瓶持参で、

旅から旅へとロケしたっけなぁ。

吹雪など悪天候にたたられたり、

スケジュール通りに撮影が進まなかったり、

アクシデントがつきもののロケ取材から宿へ戻り、

ポットのお湯で淹れた湯のみ茶碗のインスタントコーヒーを飲みながら

スタッフみんなでその日の撮影分をプレビューしたものだ。

ほっと温かい一杯のインスタントコーヒー。

同じ釜の飯、ならぬ、同じ瓶のコーヒーを飲んだ仲間たち。

仕事の疲れも苦労もほっとほぐれていったっけ。

コンビニもなくて確かに不便な時代だっかれど、

それだけスタッフ同士の共有体験もたくさんあって、濃かったなぁ。

いつもの朝のコーヒーが

さらに温かく心に沁みる。

ほっと大寒の朝、でした。

(写真は)

「八天堂」の

とろとろクリームパン。

先日の夫のお土産。

そうそう、昔のロケ、

朝食にパン、食べたかったなぁ(笑)