君の名は

夕焼けこやけの

赤とんぼ

昨日飛んでた

可憐な姿よ

君の名は?

今日は二十四節気の処暑。

「処」はもともと「来て止まる」という意味を持った漢字で、

暑さもおさまる頃、朝晩の涼しさが実感できる季節になりました。

日中はまだまだ暑いものの、ふと見上げた空は青く透き通り、

ずいぶん高くなってきたことに気づきます。

昨日の午後、藻岩山方面から手稲山をみながら車に乗っていると、

すいすいと何匹もの赤とんぼが気持ちよさそうに飛んでいました。

ああ、いくら暑くてもしっかり秋へ向かっているのですね。

いくつになっても、赤とんぼを見るとあの童謡が浮かんできます。

♪夕焼け小焼けの赤とんぼ・・・

誰もが知っているこのフレーズをめぐって

実は長年静かな論争?が繰り広げられているらしい。

ここで歌われる「赤とんぼ」とは、どの種なのか?

世界には約6000種ものトンボが生息し、

日本で見られるのは約200種と、ヨーロッパ全土よりもずっと多く、

日本は古来からトンボ王国なのだそうです。

トンボの古語は「秋津」、日本書紀や古事記の時代には

日本のことを「秋津洲(あきつしま」と呼んでいました。

南北に島が連なる様子がトンボに似ているというのが

「秋津洲」の語源とされ、まさに名実ともにトンボの国、なのですが、

「赤とんぼ」という名前のトンボはいなくて、

赤やオレンジなど赤みがかったトンボの俗称なのだそうです。

童謡「赤とんぼ」に歌われているトンボの筆頭候補とされるのが、

一般的に赤とんぼの代表とされるのが日本特産種の「アキアカネ」。

なのですが、このアキアカネ、夕方にはあまり飛ばない習性があるため、

夕焼け小焼け・・・の歌詞と矛盾するという異論があるらしい。

夕焼けの中でよく飛ぶギンヤンマなどが夕日に浴びて赤く見えた、とか、

いや、夕焼けが早く訪れる東北ではアキアカネは夕方に飛ぶ、とか、

「赤とんぼ」の正体をめぐって、けっこうな論争があるらしいのです。

♪負われて見たのはいつの日か・・・てか、そもそも君の名は?

さらに西日本ではまた別の異説が。

作者の三木露風の故郷は兵庫県龍野、

その西日本でアキアカネよりもよく見られる薄オレンジ色のトンボ、

「ウスバキトンボ」こそ夕焼け小焼けの赤とんぼだとする説です。

この「ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)」は

「精霊蜻蛉(しょうりょうとんぼ)」とも呼ばれるちょっと切ないトンボ。

はるか南の国から渡り鳥のように大海を渡ってやってくるのですが、

一生がほかのトンボよりも短く、三世代ほど世代交代を繰り返しながら北上、

その年に海を越えて日本にやってきたものも含めて

すべてその年のうちに死んでしまうのだそうです。

冬を越せずに一生を終えてしまうのに、

なぜ毎年死ぬためだけのためのように、

はるか南のから秋津洲、日本まで旅をするのか、

その理由はわかっていないそうです。

ちょうどお盆の頃から群れを成して渡ってくることから

ご先祖様が化身をしてやってきてくれたとか、

亡くなった人の魂を載せてやってくるとの言い伝えから

「精霊蜻蛉」また「盆とんぼ」などと名付けられようです。

昨日の夕方、緑の山沿いの道で見かけた赤とんぼ。

そういえば何度も何度もフロントガラスの向こうを

す~いすいと行ったり来たり、いとおしげに飛び交っていたような。

お盆が過ぎてお空へ帰る亡き父のいとまの挨拶だったのだろうか。

夕焼け小焼けの赤とんぼ。

アキアカネ?ギンヤンマ?

それともちょっと切ない精霊蜻蛉?

はたして君の名は・・・?

(写真は)

赤とんぼの写真は撮れなかったので

ゆく夏を惜しむ夏野菜料理、

ズッキーニと鶏肉のスパイス炒めの写真を

さして、関連はありません(笑)