おはぎと鈴蘭
おはぎ
ぼたもち
母多餅
ぬくもりの風景
おはぎと鈴蘭
秋のお彼岸、おはぎの季節です。
連休中に亡き父の好物だったおはぎを携えてお墓参りは済ませましたが、
それでも、あんこ好き夫婦はおはぎが食べたくなる(笑)
昨日の夫のお土産は、やっぱり、おはぎ。
札幌新倉屋のこしあん&栗あんのおはぎ二種。
小ぶりなサイズなので、両方、無事にぺろりと完食。
小豆の風味と香りをしっかり感じるこしあんはもちろんのこと、
白餡に刻み栗をしのばせた栗あんのおはぎがまた上品で美味でありました。
優しい色合いの栗あんおはぎを眺めていると・・・
遠い遠い懐かしく甘く温もりのある風景が蘇ってきました。
あれは幼稚園でのある日のお弁当の時間。
赤いお弁当箱の蓋を開けると・・・おはぎが二つ入っていた。
わぁ・・・おはぎだ~♪
春か秋のお彼岸だったのか、母が家で手作りしたおはぎが二種類、
アルミの小さなお弁当箱に詰められていたのです。
粒あんのおはぎと、きなこのおはぎ。
その、きなこのおはぎが、今でも妙に忘れられない。
きなこがお弁当箱の中の湿り気でもち米にぺとっとへばりつき、
できたてのふんわり感をすっかり失い、残念なヴィジュアルになっていたのだ。
ちょっと悲しかったけれど、おかっぱ頭は母にそのことは、言わなかった。
長じて図々しくなった高校生くらいだったら、
「ね~、お弁当にきなこのおはぎはあり得ない、湿ってぺとぺと~」とか何とか、
小憎たらしく、母親にツッコミ入れていたかもしれないが(笑)、
幼稚園児だったあの頃、せっかく好物のおはぎを詰めてくれたお母さんを
悲しませるようなことは幼心に言えなかったんだなぁ~。
優しい子だったんだ、アタシ(笑)
あの時の赤いアルミのお弁当箱。
やさしい楕円形の小判型で、蓋には鈴蘭の絵が描いてあったなぁ。
おはぎもお稲荷さんもお赤飯も、なんでも手作りしてくれた母も年を重ね、
今となっては、母の手作りおはぎのお弁当は、もうきっと食べられない。
秋はおはぎ(お萩」、秋はぼたもち(牡丹餅)などなど
おはぎとぼたもちの語源については諸説ありますが、本来両者は同じもの、
1697年の「本朝食鑑」には「母多餅一名萩の花」とあり、
「母多餅(ぼたもち)」=「萩の花(おはぎ)」だったことがわかります。
なぜ「母多」の字をあてたのだろう。
小豆餡をまとったぽってりしたやさしい姿に母の大きな愛を重ねたのか。
時におつりが来るほどの余りある愛情とぼたもち=おはぎは
どこかで、切なく、重なるような気がする。
赤いアルミのお弁当箱。
おはぎと鈴蘭。
ぺとぺとのきなこおはぎと母の愛。
秋は、人をセンチメンタルにする。
(写真は)
札幌新倉屋の
こしあん&栗あんのおはぎ
秋のおはぎは心に沁みる

