いとしいひととき
悲しみも
喜びも
後悔も
希望も
いとしいひととき
1951年(昭和26年)10月2日、
朝日新聞東京本社夕刊に「ひととき」が始まりました。
戦後間もなくの日本で初の女性投稿欄が誕生したのです。
まだまだ新聞が男性による男性のためのメディアだった時代、
日本のジャーナリズム史、そして女性にとって画期的なことでした。
毎朝、必ず目を通している「ひととき」、
そうですか、来年で70歳を迎えるのですね。
女性たちが日々の暮らしのなかで気づいた500文字のつぶやきは、
その時代を等身大の言葉で綴る貴重な戦後史でもあります。
今朝の生活面でその「ひととき」特集が組まれていました。
憲法で両性の平等が謳われ、女性も参政権を持つようになった時代、
「ふつうの女性が何を考えているのかわかる随筆欄を」と
当時の学芸部デスクが発案した企画だったそうですが、
朝日新聞社内でも「女に何が書ける」と懐疑的な声が上がったとか。
そのため、当初は投稿募集の掲載を断念し、
作家や評論家のエッセイでつないでいた3ヵ月後のこと、
発案したデスクの机の上に2,3通の封書が届いていたのです。
そうです、無名の女性読者からの「ひととき」欄投稿でした。
誰よ、誰ですか?「女に何が書ける」と嘲笑したのは?
洗濯しながら、料理しながら、子どもを育てながら、暮らしながら、
女性たちの頭と心はいつもフル回転しているのですよ、
色々なことを考え、疑問を持ち、社会の窓を開けようとしてきたのだ。
今朝の「ひととき」特集記事に
70年の歴史と特集が組まれた主な投稿テーマが載っていました。
1950年代は「嫁・姑に代わる呼び名は?」「女の最終目標は結婚か」。
安保闘争の60年代は「政治が身近に」なり、「がんばれ受験生」、
70年代「幼稚園通いは必要か?80年代「働き過ぎのパパ」。
「いじめ、なくなれ」特集が組まれたのも80年代でした。
90年代「宛名から消えるわたし」夫婦別姓を扱う投稿が増え、
「公園デビューは大変」子育てママの孤独が紙面にあらわれてきます。
2000年「夫の携帯メール」「子育て後の夫婦2人」
2010年「デイサービスの塗り絵」「政治家の不倫」、
デジタル化、高齢化、政治不信・・・投稿は、時代を映す鏡、ですね。
日々の暮らしの中で、頭と心に浮かぶさまざまな思い。
悲しみ、喜び、後悔、希望、不安、共感などなど
自分の胸にとどめきれない思いを500文字に託す。
私はこう思った、こう感じた、誰かに聞いてもらいたいつぶやき、
「ひととき」は女性たちの人生の総和なのかもしれません。
だから、毎朝、読んでいて、いとしくなる。
お顔もわからない一人の女性の「ひととき」を受け止め、
「わかるわかる」とか「へ~そうなんだ、でもね」なんて思ったり、
共感したり、時に疑問をもったり、一人妄想井戸端会議をする、
それが、わたしの朝のひととき(笑)。
おめでとう。70周年。
これからも、ずっと読ませていただきます。
70歳を迎えたいとしい「ひととき」さん♪
(写真は)
忙しい年の瀬、
ある日のおやつは
モンブラン♪
これもいとしいひととき(笑)



