伝えたいココロ

伝わる

伝える

数値化

データ化できるのか

伝えたいココロ

自分だけじゃなかったのね。

ちょっとほっとするような、しないような・・・?、

そんな複雑な思いになるアンケート調査が朝刊土曜版に載っていました。

「AI音声に違和感ありますか?」

AIが読むテレビのニュース、電話口のAI音声対応などなど

今さらなにゆーてんねん、はよ慣れろやと言われそうですが(誰が?笑)

普及が加速するAIの「声」に違和感あり?なし?を尋ねたアンケートは

なかなか興味深い結果でありました、

AI音声に違和感「ある」が64%、「ない」が36%。

6割以上の人が、やっぱりAI音声に違和感感じているという数字、

ほっ、良かった、アタシだけじゃなかったんだ、

急速に進むAI社会に取り残されるような焦りがありましたが、

まだ、かろうじでAIガラパゴスではなかったらしい(笑)

「どこで耳にするとき違和感を感じる?」の問いには

「テレビの報道番組」がダントツ1位、次いで「電話の利用客窓口」でした。

確かに宅配便の再配達受付の自動音声は多少の違和感をありますが、

そこそこ慣れてきたけれど、テレビのAIニュース、あれは未だに、ね。

「どんな違和感?」については「機械的・事務的」がトップで

「音に温もりがない」「音に深みがない」「変だ、滑稽だ」「現実感がない」、

さらに「特にどこに違和感がああるか」の問いには

「音の高低、抑揚」「音の強弱、アクセント」がツートップで

以下「感情がない」「言葉のつなぎ」「間の取り方」と続いています。

これはアナウンサー的にも大変鋭い、重要な、示唆に富んだ指摘であります。

自由記述にもさらにうなづける理由が数々ありました。

「AIだと頭に入ってこない。『伝える』という思いがない分、

抑揚や言葉に力がない」「耳に入ってきても耳に残らない。記憶に残らない」

まさに、本当に、回答者の皆様のご指摘通りであります。

AIニュースを頭から否定、拒絶するつもりは全くありませんが、

「違和感」を感じる理由として挙げられたポイントは

そっくりそのまま私たちアナウンサーがニュースなどを読むときに

最も大事な基本であり、絶対に忘れてはいけないことばかりなのです。

アナウンサーがニュースを「読む」。

行動としては視覚で捉えた原稿を音声変換して発語するわけで、

確かに「読む」のですが、ただ読んだだけは聞き手に絶対に伝わらない。

そうです、ニュースは「読む」のではなく「伝える」のです。

「伝える」プロであれ。

これはニュースに限らず、リポート、実況、フリートーク、インタビュー、

すべてに通じる、この仕事の「肝」と言えると思います。

内容を理解し、頭の中で映像化し、相手にわかりやすいように「伝える」。

その結果として「音の高低、強弱、間、抑揚、リズム、トーン」など

いわゆるテクニカルな要素が生まれるのだ。

つまり、人は人に何かを「伝えたい」と思えば、

自然と「音の高低、強弱、間、抑揚、リズム、トーン」といった

アナウンス技術を使って話しているのですよ。

そしてその表現方法は人それぞれ、だから、個性が生まれるのだ。

話し上手になりたいと、誰かの真似をしても「伝わらない」。

表面上のテクニックや、それっぽい話し方では「伝わらない」。

AIニュースに感じる「違和感」の正体は、

多分、AI自身はそのニュースを「伝えたい」と思っていないことだと思う。

AIは絶対に噛まない。絶対に時間を守れる。

原稿の「てにをは」を勝手に替えたりしない。

指示した通りに完璧にアナウンスのミッションを達成する。

何より人件費がかからない、コスパがいい。

あれ・・・?ちょっと不安になってきたぞ。

AIが進化して「伝える」ため膨大な表現データを学習したら、

現在の「違和感」も解消されてしまうかもしれない。

もっともっと進化してAIが「伝える」という「意思」を獲得したら、

アナウンサーという職業が世界から消えてしまうのだろうか。

これがシンギュラリティってやつか?

人間の脳と同じレベルのAIが登場する「技術的特異点」。

いつか「アナウンス技術的特異点」がやってくるのか。

しかし怖れているヒマがあったら、学び続ける方がきっといい。

伝えるココロ。

忘れずに精進するんだ。

改めて想う冬の土曜日だった。

(写真は)

札幌駅前の再開発

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未来へと歩む