どろだらけの覚悟
はらはらふわふわ
淡雪を見ながら
旅立ちを想う
自然にまなぶ
どろだらけの覚悟。
過ぎゆく冬を惜しむかのように
朝からはらはら、ふわふわ、淡雪が降っています。
てのひらに落ちた瞬間に融けてしまうはかなさに
なんだか、胸がきゅんとしてしまいます。
春。旅立ちの季節だからでしょうか。
朝刊の子育て欄にも入園シーズンに備え、
「子離れ」「親離れ」に関するアドバイス記事が載っていました。
園庭や園バスの前で親と離れたくなくて小さな子がギャン泣きする風景、
微笑ましい春の風物詩、でもありますね。
なんて、我が子がとっくに大きくなったから、
風物詩などと呑気なこと言っていられるわけで、
息子の入園当時、当事者だったあの頃は、そりゃ大変だった(笑)
最初は園バスに乗せるのが、一大ミッションだったな~。
幼稚園はめっちゃ楽しくて、先生もおともだちも大好きだったけれど、
入園してまもなくは、とにかく、母ちゃんと離れるのが悲しかったらしい。
園バスの停留所まで歩いていると、急に「うんち!」と緊急信号を発したり、
なんとかバスに乗せるため、先生が抱き取ろうとすれば、
母ちゃんの髪をむんずとつかみ必死の抵抗、
子離れの痛み、心も痛かったが、頭皮も相当痛かった(笑)
だから、タンチョウさんは、エラい。
「子離れ」記事のすぐお隣に自然ガイドで写真家の安藤誠さんが
「タンチョウの『子別れ』」という記事を寄せていました。
釧路湿原のシンボルで国の特別記念物であるタンチョウも、
3月は「子別れ」のシーズンなのだそうです。
タンチョウのつがいは春に2個の卵を抱卵しますが、
キツネなどに襲われたり、雪解けの増水や寒波で失うことも多く、
無事にヒナが育っても電線に接触したり、車に轢かれたりして
死んでしまうことが少なくないそうで、
「タンチョウがわが子を独り立ちさせられるのは奇跡に近い」のだとか。
だから、タンチョウの親鳥は、春に生まれてやっと育ったひなが
飛ぶことができるようになる夏から秋の終わりごろまで、
純白の羽がどろどろに汚れるまでひなに寄り添い、守るのだそうです。
そして、ある時、安藤さんは旅立ちのその時を目撃します。
一組のタンチョウのつがいが必死で育てたひなを、突然、
「おまえはもううちの子ではない」とでも言うように、
毅然と、きっぱりと追い払い、300mほど離れた場所まで飛んでいき、
おいてきたヒナを心配そうに見つめていました。
すると、ひなは、親を追うのをあきらめて、
小さな羽で親とは別の方向に飛んでいったのだそうです。
つがいがひなの巣立ちを寂し気に見送る姿に
涙があふれたといいます。
う・・・ぐすん・・・記事を読んでて、私も泣けた。
厳しい大自然の中で純白の羽がどろだらけになるまで
命がけで育て守ってきた我が子を、ある瞬間、時は来たと知り、
感傷をふりきって旅立たせたタンチョウ。
可愛い子には旅をさせよ。
いや、可愛い子は旅立つ。
親が思っていた以上に遠くまで。
タンチョウのどろだらけの覚悟に、学ぶ。
(写真は)
今朝の淡雪。
これがなごり雪になるんだろうか。
この冬最後の雪になるのだろうか。
別れが近い。しっかり見ておこう。

