春をまつ

黄金の時代

誰のため

誰のもの

光を見つめる

春をまつ

日本時間の未明、アメリカ合衆国第47代大統領に

ドナルド・トランプ氏が就任しました。

首都ワシントンの連邦議会議事堂で行われた就任演説の冒頭で

2期目の大統領は高らかに宣言しました。

「アメリカの黄金時代が今はじまる」。

アメリカの利益を最優先する「米国第一主義」を掲げ、

不法移民を徹底的に排除、関税によって自国経済を守る。

アメリカはまもなく、かつてないほどに偉大で、強大で、

はるかに卓越した国になるだろうと述べました。

選挙戦中の暗殺事件にも触れ「神に生かされた」とも語るトランプ大統領、

就任演説を続ける表情は自信にあふれ、全能感さえ感じさせ、

具体的な政策を次々と繰り出しました。

「黄金時代」の中身であります。

「メキシコ湾をアメリカ湾に変更する」

「アメリカ政府の公的政策には二つのジェンダーしか存在しない。

それは、男性と女性だ」

「化石燃料を掘って掘って掘りまくる」等々。

国際協調、多様性、気候変動対策・・・

世界が手を携えて共に生きていく社会を実現するために重ねてきた努力を

米国第一主義を掲げる大統領がいとも簡単にひっくり返そうというのでしょうか。

いや、違う、その大統領を選んだのは多数のアメリカ国民なのだ。

アメリカ国民が抱えている「不満」をすくいとったのが彼だった。

アメリカの黄金時代。

それは誰のため、誰のもの、誰が享受するのだろう。

性別は二つしかないと言い切る政府によって社会はどう変容するのか。

マイノリティーの人権と経済は対立するものではないはずなのに。

朝刊オピニオン欄のテーマは「マイノリティー 冬の時代」でした。

トランプ大統領の復活に合わせて企業などで「多様性」の看板をおろす動きが

加速しているアメリカ、女性やマイノリティーはさらに厳しい環境に

置かれるのではないか、非寛容、排除の論理が日本にも波及するのではないか、

識者、専門家も憂慮しているようです。

季節は大寒を過ぎて寒の内に入りましたが、

寒さの極限は春の始まりを連れて来る小さな一歩でもあります。

国際社会が、さまざまな現場が、さまざまな人々が大切に積み重ねてきた、

「多様性」を重んじる世界が、どうか冬に逆戻りしませんように。

厳寒のワシントンもやがて春を迎えます。

誰かを置き去りにすピカピカの黄金時代より

春の日差しのような温かさを誰もが感じられる社会であってほしい。

雪のアメリカの首都の映像を見ながら、春をまつ。

(写真は)

大寒翌日の朝

札幌は青空

青の成分に

ほのかに春が混じる