カタカナの本質

コンプライアンス

ガバナンス

プライバシー

カタカナの本質

デューデリジェンス

10時間半。異例ずくめの記者会見でした。

昨日16時、フジテレビが元タレントと女性とのトラブルを巡り、

2度目の記者会見を行い、会見冒頭で会長と社長の引責辞任を発表、

その後の質疑応答は日をまたいた午前2時半頃まで続きました。

閉鎖性を批判された1回目の会見から一転、カメラを入れてフルオープンで

開かれた2回目の会見には400人以上の記者が参加、厳しい質問が相次ぎ、

経営陣は人権への認識不足があったと認め、放送業界の信用失墜にも

つながりかねない事態を招いてしまったと辞任理由を述べました。

フジテレビはCMなしで10時間半の長時間会見を放送、

誰が、どんな言葉で、どんな表情で、何を語るのか、

テレビカメラはすべてを映し出します。

当事者のテレビ局が放送し続けたことが事態の重大さを物語ります。

テレビで育ち、お仕事をさせて頂いている人間として本当に残念であり、、

女性として、一人の人間として、痛みを感じます。

人権侵害が疑われる事案に対して、なぜ、適切な対応がなされなかったのか。

長時間の会見でしたが、すっきり納得とはなりませんでした。

またやりとりの中で個別の事案とは別の次元でふと気になったことがあります。

コンプライアンス、ガバナンス、プライバシー、ヒアリングなどなど

会見中に何度も何度も飛び交ったカタカナ用語。ビジネスの現場では

こうしや単語ひとつで共通理解が進む用語だとは思いますが、

時としてそのカタカナ用語に「体温」が感じられないような気がしました。

コンプライアンス=法令遵守。法律を守るというだけではなく、

企業が倫理観、公序良俗などの社会規範に従い、公正・公平に業務を

行うことを意味していますが、「コンプライアンス」と口にする時、

心身にダメージを追った人のことをどこまで真摯に思っているのだろうか。

世界的に「ビジネスと人権」への関心が高まり、

企業には「人権デューデリジェンス」への取り組みが求められています。

事業における人権リスクを特定し、その防止・軽減を図り、取り組みの実効性や

対処方法について説明、情報開示するという一連の行為をさす言葉。

デューデリジェンス(Due dirigence)。これもカタカナ用語です。

元々は企業の経営状況や財務状況を調査することを表す言葉ですが、

「Due」は(当然の、正当な)、「dirigence」は(精励、努力)という意味。

人権について当然の正当な対応を精励、努力すること、

それが、人権デューデリジェンス、ということになります。

人権は、単なる漢字2文字ではありません。

尊重されるべき、されなければならない、体温のある人間の権利です。

カタカナ用語が本当に意味していることを肌で心で感じてほしい。

長い記者会見を見て、思った。

(写真は)

冬の空

雲のまにまに

青空が見えた朝