ムーチービーサーの季節

「鬼餅」

と書いて

ムーチーが並ぶ頃

南国にも冬到来

ムーチービーサーの季節

師走だ。寒い。最低気温も氷点下になってきた。

南国もそろそろムーチービーサーの季節だろうか。

窓の外の雪景色を眺めながら愛する沖縄を想う。

あの弾丸旅の思い出は尽きない。

先月の週末2泊3日滞在40時間の沖縄弾丸実証実験ツアーを決行。

感染対策を十二分に講じて、4年ぶりの沖縄を訪ねました。

「見せる復興」が進む首里城、読谷村「やちむんの里」

「道の駅かでな」や世界遺産「座喜味城跡」などを駆け足で巡り、

思い出の「BACAR OKINAWA」で最後の晩餐も楽しめました。

最終日も飛行機が飛び立つ時間まで有効利用しようと、

朝早くから大好きなマチグヮー=市場界隈までやってきました。

戦後の闇市から誕生した那覇の台所「第一牧志公設市場」は

老朽化のために2019年夏から解体、再建工事が始まっていて、

2022年4月の再移転まで移転営業中の仮設店舗へ。

仮設店舗は建物はピカピカ新しくても、

それぞれのお店の秤や什器、棚などは旧市場時代のままで、

温かく懐かしいマチグヮー(市場)の賑わいは変わりなくほっと安堵。

来年春に新市場に再移転後もマチグヮーの魂は引き継がれていくことでしょう。

公設市場の仮設店舗を後に市場通りのアーケードに戻ります。

国際通りを背にしてまだ開店前の静かなアーケード街をずんずん奥へ。

観光客向けのお土産屋さんなどが次第に数が少なくなり、

洋品店や結納用品専門店など地元色が濃くなっていきます。

そうそう、この地元ゾーンが大好きなのよねぇ。

那覇の人々の暮らしが垣間見えて疑似移住しているような気分になれる。

開南せせらぎ通りに突き当たるあたりに、お気に入りの青果店が・・・

あるはず・・・あれ?・・・・ない?・・・工事中???

いつも沖縄旅最終日の朝に立ち寄って、

新鮮な沖縄野菜や果物を買い込んでいた奥間青果店が見当たらず、

その手前に小洒落た民泊ホテルらしき新築のビルが建っていて、

そのお隣も何やら工事中で養生シートが巡らせていている。

お向かいで青果店は営業中らしき貼り紙があったのですが、

いつもなら続々と届く新鮮野菜を店先で並べる様子がありません。

あ、そうか、今日は日曜日だからセリはお休み、だからかな。

でも、おなじみの風景が見えないと、なんだか淋しい。

アーケードが終わった交差点の向こうには

すっかり新しく生まれ変わった農連市場の建物がありました。

戦後まもなくガープ川沿いに生まれた闇市から始まり、

農家が直接販売できる市場として誕生した「農連市場」も

老朽化に伴う再開発によって2017年に「のうれんプラザ」となりました。

戦後の闇市の面影を残すような以前の市場とは様変わり。

キレイな3階建てのビルに生まれ変わりましたが、1階に入ると

「小売り店舗」「飲食店」「相対売り場・早朝ゾーン」に分かれていて、

かつての「農連市場」の機能は以前と同じように存続していました。

さっそく「相対売り場・早朝ゾーン」に入ってみましたが、ガラーン。

ですよね~、ここの営業時間は朝3時から、朝6時には賑わいもおしまい、

近隣の農家さんが夜明け前から野菜を担いで商いにやってくる、

昔ながらの相対売りの風景は、早朝が勝負、時すでに大幅に遅し(笑)

それでもまだお店を開けていたおじいとおばあが営む小さな乾物屋さんで

クーブイリチー用の細切り昆布と皮つき落花生を購入、

「昆布はね、10分水につければね、すぐ柔らかくなるからね」。

おばあが優しく料理方法を指南してくれる。

建物は新しいビルになっても、人情は変わらない。

さて、そろそろ、市場アーケードのお店も開くころかな~。

国際通り方面へ向かって、朝のアーケードをぷらぷら戻っていくと、

ああ~、また会えた、見慣れたお店が開店準備をしていました。

沖縄のソウルもち「ムーチー」の専門店「やまや」さんです。

香り高い月桃の葉に包まれた「ムーチー」が並んでいます。

漢字で「鬼餅」と書いて「ムーチー」は沖縄の冬の風物詩。

旧暦の12月8日に鬼を近づけないようにムーチーを食べる習慣があり、

その頃には沖縄にも寒波がやってきて冷え込む日が続くため

人々は「ムーチービーサーね~」なんて言って首をすくめるのでした。

「ビーサー」とは沖縄の言葉で「寒い・冷える」という意味。

ムーチーが店に並ぶようになると、さすがの沖縄も寒い季節、

「ムーチービーサーね~=いやあ、寒いね~」ってことですね。

専門店の「やまや」さんでは1年中ムーチーが並んでいますが、

そうか、もうすぐ、沖縄も、それなりに寒い冬を迎えるのですね~。

沖縄の冬の風物詩に別れを告げて、

さあ、もう少し、市場界隈をぷらりお散歩。

そろそろ、お目当てのあのお店も開店しそう。

最後の最後まで沖縄時間を楽しむのだった。

(写真は)

沖縄の香り高いお餅

「ムーチー」

美味しいお餅で鬼を払う