森の声

いまだ、ご健在だったのね。
春の足音に耳を澄ませたくなる今日この頃でしたが、
ゴゴッ、ゴゴー、窓の外から物凄い風の音、時折、ミシッと建物が揺れる気配すらある。
2月の暴風雪、冬将軍が暴れまくっています。


今朝6時20分頃、日の出前の札幌。
強い北風が真横に吹き荒れ、山も建物も猛吹雪でよく見えない。
昨日は気温が上がって道路は解けた雪が川のようになっていてのに、
春が待ち遠しくなる時期、揺り戻しのように冬将軍が戻ってきますねぇ。
3歩進んで4歩下がる?いや、3歩進んで2歩下がっているんだと言い聞かせる朝です。

街も吹雪、山も、森も、まだまだ白い雪に覆われていますが、
寒い冬の間も北海道の森はとても心配なことがあります。
昨日2月18日(水)コメンテーターとして出演させて頂いたHBC「今日ドキッ!」では
「ナラ枯れ最前線」を特集しました。

北海道産のナラ材は寒冷地で育つために木目が美しく、緻密で頑丈なため、
ジャパニーズ・オークとも呼ばれ、高級家具やウイスキー樽などに利用される貴重な森林資源ですが、
こうしたナラ類の樹木が枯死してしまう伝染病がじわじわと北上、道南でその「ナラ枯れ」が確認され、
現在、被害を食止めるための対策に覆われる現場を番組が取材したのです。

「ナラ枯れ」の原因はカシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という体長5mmほどの小さな昆虫。
初夏にカシナガが樹木に穴を開けて入り込むときに持ち込んだナラ菌の作用で道管が目詰まり、
葉が赤く変色し、枯死してしまうのです。秋から冬にかけて幼虫は木の中で越冬、
次の初夏に成虫となって新たなナラ類の樹木を求めて飛び立ち、被害が蔓延してしまうのです。

カシナガは南方由来の昆虫で、これまでは寒冷地では確認されていませんでしたが、
温暖化の影響で北上が進んでいるとみられ、2010年に初めて被害が確認された青森県では
その15年後、2025年には10万本を超える被害木が発生、北海道では2023年に道南で初確認、
2025年12月現在で1959本に被害が広がっているのが確認されています。

カシナガによるナラ枯れ=「樹木の感染症」対策はまさに待ったなし。
道も対策基本方針を策定し、生息調査に基づき、被害監視区域を設定、ヘリやドローンでの上空調査や
現場調査を進めていますが、実際に自治体の要請を受けて森に入る森林組合では人員などの負担が大きく、
険しい山道を分け入る際には熊と遭遇する危険もあるなど取材から最前線の現場の苦労が伝わってきました。

ナラ枯れの被害は街の近くの公園でも確認されています。
紅葉には早いのに赤くなった葉っぱ、木の根元にはおがくずのような「フラス」があったら、
カシナガによるナラ枯れの可能性があるのです。
今は雪に覆われている森ですが、静かに樹木の感染症が広がっているのかもしれない。

雪が解けると森に行く機会や公園にお散歩することが増えてきます。
美しいジャパニーズオークを守るために、赤くなった葉っぱはないか、木の根元におがくずはないか、
森の小さな、ささいな変化、違和感に敏感になりたいと思いました。
みんなで北海道の森を守りたい。


元気でいますか?お変わりありませんか?
森の声に耳をすませる。


日の出時刻を過ぎた朝7時。
窓の外は白い猛吹雪が続いている。
森は、元気だろうか。