いただきます

朝起きると、感動が待っている。
昨日はミラノ・コルティナ五輪、ジャンプ混合団体で日本が銅メダル。
前回の北京五輪でスーツの規定違反で失格となった高梨沙羅選手は、
呪縛を飛躍に変えて見事な2本のジャンプを決めました。

4年前、一人うずくまり、泣きじゃくっていた高梨選手が
仲間とともに笑顔で表彰台に立った姿に、もう観ているこちらが号泣。
沙羅ちゃん泣いてないのに、おばちゃん泣く(笑)
その後、4年前のチームメイト伊藤有希選手に「良かった、頑張った」と抱きしめられ、
涙が止まらない沙羅ちゃんを見て、おばちゃん、また泣く。
朝から、歓喜の涙が止まらないオリンピックの朝でした。
興奮を抑えようと、桜餅を頬張り、少し落ち着いた(笑)


昨日2月11日(水)コメンテーターとして出演させて頂いたHBC「今日ドキッ!」も
番組冒頭から混合団体ジャンプ銅メダルの話題で始まりました。
朝から、何度も見てるのに、スタジオで映像を見ると、また泣きそうになっちゃう。
本当、みんな、4人とも頑張りました、心からおめでとうございます!

そして、オリンピックの感動とともに、この日の特集にも心が震えました。
HBCの東峰ANがその道のプロに指南を乞うシリーズ企画「師匠!私を弟子にしてください」、
今週3日間に渡って放送された「美唄・シカ編」の最終日。
美唄のハンター山本峻也さんに弟子入り、冬山でのシカ猟に密着します。
冬山での厳しさ、そして命と向きあう厳しさを学ぶ東峰ANの表情が印象的でした。

間近で響くライフルの発砲音。仕留めたシカを血抜きする。
「豚も牛も鳥も誰かがこうやって命を殺めてくれて自分たちの食卓にあがり、
こういう動物たちが自分たちの血となり肉となってくれているおかげで、
僕たちがこうして毎日楽しく生きていられる」
ハンター山本さんの言葉は、哲学者のようだった。

元々は美唄市農協の職員だった山本さんはシカの食害を目の当たりにし、
色々考え、抜本的にシカを減らすことが必要と判断し、ハンターに転身、
シカ肉の一次加工、二次加工も担い、食肉として販売する仕事もしています。
弟子入りの期間中にワナにかかったシカ15頭が生きたまま運ばれてきました。

皮をはぐ作業が弟子の目の前で行われます。湯気がたち、獣臭が立ち込める。
「こうやって命を犠牲にして、私たちが生きるためのお肉をくれた存在だと思うので、
結構・・・見ているのが、辛いですね」
東峰ANの言葉がまっすぐに伝わってくる。

解体し、枝熟成冷蔵庫で3~7日間熟成させた後、ショルダーやボディに分ける2次加工へ。
鮮やかな刃さばきで骨を外し、ブロックに切り分けていく山本さん。
「これ見たら、お肉でしょ?でも、毛が付いていたら、動物ですよね。
切り替えはどこなんだろうって、ずっと僕もハンターとしても肉屋さんとしてもずっと考えている」

映像を見ながら、私も考えた。
スーパーの牛肉も今はトレーサビリティーのシステムで生産履歴を辿ることはできる。
でも、その命が断たれて食肉になる景色を思い浮かべることはほとんどない。
動物からお肉に切り替わる瞬間に立ち会うことはほぼない。

冬山で自ら仕留めたシカ。
その命をいただくためにハンター山本さんは丁寧に処理をして食肉にしていく。
動物とお肉の「切り替え」はどこなんだろうと、今も考えながら。
その行為は、命への最大の敬意だと思った。

「いただきます」は「命をいただきます」。
自然の輪の中で命に敬意を払う。
それは祈りの言葉にも聞こえた。