マジックマンの旅

あ・・・お月さま
早朝の西の空、ペールブルーの天空に
ほの白い月が、ぽっかり浮かんでいました。


夜が明けた朝の空に浮かぶ「有明の月」。
月曜日の夜が満月でしたから、十六夜の次の次の月となりますね。
秋の訪れを感じさせる朝の空に、帰りそびれたかのように浮かぶお月さま。
なにか心残りでもあるのでしょうか。有明の月に語りかける朝であります。

先日の皆既月食のように赤く染まった月を見て、昔の人は魔法だと思ったはず。
人は不思議なものを目の当たりにすると、驚き、魅了される。
だから、誰もが大好きなのが「マジック」。
そのマジックで世界の子どもたちを笑顔にする旅人がいました。

昨日、コメンテーターとして出演させて頂いたHBC「今日ドキッ!」の特集では
世界を旅しながら子どもたちへ笑顔を届けるストリートマジシャンが取り上げられました。
大阪出身の元教師、加藤竜平さん、29歳。
幼い頃から人を驚かすマジックが好きだった加藤さん、言語の壁を超えるマジックは
乾いた日々をわっと潤してくれる力があると、教職をやめて世界に旅立ちます。

ネパールの孤児院やシリアの難民キャンプ、中国の新疆ウイグル自治区、
アフガニスタン、パレスチナ自治区など、この6年間で訪れた国や地域は100以上。
1年の半分以上は紛争地や貧困に苦しむ世界各地の子どもたちのもとを訪れ、
コインや手を使って路上マジックを披露し、楽しませているのです。

加藤さんの手元を凝視し、コインが消えた瞬間、わっと驚き笑顔が弾ける。
それはどこの国の子どもも同じ。
マジックには国籍も言語も宗教も政治体制も関係ない。
世界の誰もが夢中になる共通言語だと思いました。

札幌などで渡航費を稼ぎ、世界各地の紛争地などを旅する加藤さん。
旅先では現地で交流が生まれた人の家に招かれることもありますが、
危険とも隣り合わせ、アフリカのある村ではパスポートを取り上げられ、
地元の警察に拘留されたこともあったそうです。

でも「旅先で目にしたマチの姿は決して他人事ではない」と
現地の厳しい現実を記録し、SNSで発信することも続けています。
加藤さんの活動を伝えるVTRを見ているうちに
あるヒーローの姿が重なってきました。

マジックは目の前で魔法のような出来事が起きる「非日常」が魅力。
紛争地の子どもたちの「日常」は安心して眠ることも、遊ぶことも、学ぶこともできない。
でも加藤さんのマジックを見て「うわっ、すごい!」と驚いて笑顔になります。
同時に「なんで?どうして?不思議だな~?」と、本来子どもたちが培われるべき、
創造性、想像力、知的好奇心も、元教師だった加藤さんの魔法がかきたてているのです。

世界中のお腹がすいた子どもたちにパンを届けるアンパンマンのように、
加藤さんは自らリスクを背負いながら、
世界の子どもたちに「魔法」を届るマジックマンだと思いました。
29歳、元世界史の教師だったストリートマジシャンの旅。

現在の滞在先はパキスタン、今後はチュニジア、年末にはアフリカへ向かう予定。
そして、いつの日か、イスラエルとパレスチナの子どもたちを集めて笑顔でつなぎたい。
困難に向き合う子どもたちのもとへ。
マジックマンの旅は、続きます。


秋のおやつ。
水ようかんをアレンジしたお洒落なカップデザート。
これも、甘いマジック♪