秋イリチ―
ひと雨ごとに秋が深まる季節。
昨夜から降り出した雨は朝方にはけっこうなザーザー降りに。
ナナカマドの葉も秋の雨に打たれて色づきが進みそうです。
雨降りの朝でも東の空はほんのり曙色に染まっていました。

やっぱ、秋は、お醤油の季節よね。
朝刊のキッコーマンの全面広告の写真にしみじみ共感しました。
傾けたお醤油のボトルの口から色とりどりの紅葉がこぼれおちる美しい写真です。
色づく木々を夕陽が赤く染める季節になると、お醤油を使ったお料理が恋しくなる。
それは、南国沖縄でも同じかもしれない。
沖縄在住の息子夫婦によると、沖縄も秋めいて過ごしやすい気持ちいい季節になったそうです。
とはいえ、最高気温は30度を超えているようですが、秋は秋、なんでしょうね。
そんな季節に沖縄定番のお料理を作ってみましたよ。
それは「クーブイリチ―」。
「クーブ」は沖縄の言葉で「昆布」、イリチ―は「炒りつける=炒め煮」のこと。
チャンプルーなど塩味が中心の沖縄料理の中でもお醤油の存在感がある一品です。
沖縄で仕入れてきたクーブイリチー用の細切り昆布を水で戻し、豚肉、さつま揚げ、糸こんにゃくなどと炒め合わせ、
昆布の戻し汁、醤油、酒、味醂、黒糖を加えて「イリチ―」します。

あ、すみません、手違いで別の写真が(汗)。
これじゃない。

はい、正解!
クーブイリチ―が出来上がる間際の状態です。
煮汁がほぼなくなりかけているこれが、「イリチ―(炒りつけ=炒め煮)」であります。
パパイヤイリチ―や中身イリチ―などもありますが、イリチ―料理の鉄板といえば、やはりクーブイリチーですね。

はい、我が家の「クーブイリチ―」です。
昆布と豚肉などの具材をお醤油味で甘辛く炒め煮した沖縄料理は
「よろこぶ」とかけて結婚式やお祝い事に欠かせないお料理でふだんの食卓にもよくのぼります。
今回は伊平屋島の黒糖を使ったみましたよ。
こっくりした甘辛いお醤油味が、めちゃ美味しい。
ごはんのおかずにも、お酒のおつまみにも、お弁当のおかずにも大活躍してくれます。
昆布が採れない沖縄に江戸時代以降の中国貿易や薩摩藩を介した「昆布ロード」を通じて贅沢品の昆布が入り、
だしをとった後の昆布を無駄なく使うために「クーブイリチー」が生まれたといわれます。
高温多湿の沖縄で保存性を高めるためにも水分を飛ばす「イリチ―」は理にかなっています。
かつての沖縄は1980年代まで昆布の消費量は全国トップでしたが、近年は食生活の変化により10位前後とか。
それでも沖縄を旅すれば居酒屋さんや沖縄そば店など、クーブイリチーに出会う機会はとっても多く、
沖縄の学校給食でも常連のおかずになっているようです。
沖縄も、秋めいてきたという。
お醤油甘辛味のクーブイリチーが恋しくなる季節かもしれない。
秋イリチ―の季節。


