やきもの愛
シルバーウィーク後半の朝。
明け方の東の空から曙色の朝日がのぼる。
生まれたての太陽の光が上空の雲をおしあげるような気配を感じる。
きっと、今日も秋晴れの予感。

芸術の秋。
フェルメールもやきものを愛していた?
昨日の朝刊に沖縄のやきもの「やちむん」好きには見逃せない記事が載っていました。
「窓辺に見えるは 有田焼?」
現存する作品は30数点ながら世界中で絶大な人気を誇るオランダを代表する画家フェルメール。
1660年代の作品「真珠の首飾りの女」は首飾りを身に着けた若い女性が描かれていますが、
その窓辺に見える蓋つき壺は「有田焼ではないか」と佐賀県立九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長らが指摘。
フェルメールの作品をやきものの視点で迫るユニークな試みであります。
石を砕いて作る東洋の磁器はかつて西洋では「白い金」と呼ばれ憧れの象徴でしたが、
当初の主役だった中国の景徳鎮製が王朝交代の混乱で入手困難となり、一躍脚光を帯びたのが備前磁器(有田焼)。
オランダ東インド会社を介して長崎・出島を経由し伊万里港から積み出されたため、
ヨーロッパでは「IMARI(伊万里)」と呼ばれ、華麗な色絵やデザインが王侯貴族を魅了しました。
フェルメールが生涯を過ごしたデルフトでは憧れの東洋陶磁に影響を受けたデルフト焼きも誕生しています。
「真珠の首飾りの女」に描かれた蓋つき壺は当時の輸出用の有田焼によくみられるスタイルで、
オランダ国内でそっくりなものが確認されており、中国製品の輸出は滞っていた時期でもあることから
「有田焼の可能性が高い」というわけです。
フェルメールのほかの作品にも陶磁器が描かれています。
鈴田館長らによると「稽古の中断」のテーブルの上に置かれた入れ物、「窓辺で手紙を読む女」に描かれた皿は
その特徴から中国の青花(染付)、「牛乳を注ぐ女」の床付近に並んだ染付の陶板はデルフト陶器と思われ、
フェルメールの画力、表現力、写実性があるからこそ、生産地を推測できるといいます。
「やきもの」目線で芸術作品をひもとく。新たな視点が近世日本と西洋の深い絆を物語ります。
フェルメールが絵の中にそっとしのばせた東洋の磁器。
透き通るような白い肌、鮮やかな色絵や静謐な藍の染付、まろやかなフォルム。
IMARI=有田焼か、景徳鎮か、デルフト焼きか、生産地を推理する楽しみが増えました。
ひとつだけ確実に言えることは、フェルメールは「やきもの好き」だったということ。
窓辺に、テーブルの上に、フェルメールの暮らしのなかに、いつも「やきもの」があった。
何だか一気にオランダ絵画の至宝の画家に親近感がわいてきました。
「これはIMARI?」「うん、いいでしょ、めちゃ気に入っている」「で、こっちは?」「それはデルフト焼き」なんて
フェルメールさんとそんな会話ができそうな気がしてきた(笑)

フェルメールさん、これは沖縄のやきもの「やちむん」。
温かな白地に伸びやかな藍の染付がおおらかでいいでしょ?
妄想会話が止まらない(笑)
やきもの愛は、時空を超える。


