郷愁つるつる

今日は8月16日。
終戦の日の翌日はご先祖様をお送りする「送り盆」です。
懐かしい、大切な人と心の中で一緒に過ごした今年のお盆も最終日。
送り盆の明け方、東の空は美しい曙色のグラデーションに染まっていました。


送り盆の日中はご先祖さまと一緒に過ごし、
夕方から夜にかけてご先祖さまが迷わぬようお空の上に帰るための送り火を焚く。
昔ながらの送り盆の習慣は送る人の温かな気持ちが込められていますね。
今朝の曙色の空、心なしか切なさを帯びているようにも見えました。

お盆期間の週末ごはん、我が家も亡き父など懐かしい人たちと一緒に頂くつもりで楽しみました。
なかでも、ひさしぶりで、郷愁をそそられたのが「冷や麦」です。
夏の冷たい麺といえば、もっぱら素麺が食卓にのぼっていましたが、
夫から「なんか、ボク、冷や麦が食べたい」とのリクエストがあったのです。


久しぶりに茹でてみた「冷や麦」。
最後に茹でたのがいつだったか思い出せないほど、たぶん何十年ぶりかも?
やっぱ、素麺より、太い、存在感がある。
自家製の手作りめんつゆもまた仕込んだので爽やかなあのメニューで頂きました。


「トマトツナ冷や麦」
角切りトマトとツナを胡麻油を加えた自家製めんつゆにからめて冷や麦にのせ、大葉をトッピング。
トマトの赤と冷や麦の白、大葉の緑がイタリアの国旗みたいにカラフル。
トマトとツナと一緒に冷や麦をたぐって、つるつる、つるつる♪

う~ん、美味い!
冷や麦はもっちもち、素麺とはまた違う食感と食べた満足感があります。
「お~、コレ、めちゃ美味い!」とリクエストをした夫も満足満足。
お盆であの世から帰省中のご先祖さまも気に入ってくれたことでしょう(笑)

つるつる、つるつる、もちもちの冷や麦をすするうちに、
そーだ、思い出した、子どもの頃、冷や麦が大好きだったんだ。
とゆーか、夏の麺は素麺よりも圧倒的に冷や麦だったような気がする。
あの、ピンクや緑の麺が入ってる冷や麦だ。

冷や麦と素麺の違いは太さ、直径1.3mm未満が「素麺直径1.3mm以上1.7mm未満が「冷や麦」と
消費者庁の食品表示基準で決まっていますが、機械製麵が普及した明治時代以降に見た目の似た両者を区別するために
冷や麦にピンクや緑の色つき麺を入れたと言われています。彩りと涼しさを演出する狙いもあったようです。
これが昭和の子どもには大ウケだったんですよね~。

一袋に1本ずつしかない色つき麺は子どもたちにとっては超プレミアム麺。
「ボクが先!」「アタシが食べる!」「あ~、ずるい、先食べた」「ふえ~ん(泣)、食べたかった~」
夏の食卓、冷や麦を真ん中にさまざまな抗争、いや違った、色つき麺争奪ドラマが食い広げられていたのだ(笑)
そうか、子どもが好きな色つき麺が入っているから、思い出の食卓はもっぱら冷や麦だったのか。

するっと喉越しのよい素麺に比べて、冷や麦はつるつるもちもち、食べ応えもあるような気がする。
夏休み、いっぱい遊んだ腹ペコたちには冷や麦がよかったんだろうなぁ。
今スーパーで売ってる冷や麦は色つき麺なしも多くなったけど、
青空、ヒマワリ、セミの声、ラジオ体操とともに冷や麦は懐かしい夏の風物詩だ。

郷愁つるつる。
ごちそうさまでした