オアシスにて

夏を見送る雨か。
秋を迎える雨か。
札幌は朝から雨が降り続いています。
30度越えの日はもうおしまい、かしら?

豊穣の秋を物語る素敵な実りが到来しました。
佐賀県伊万里市のぶどう園「いのうえオーチャード」の葡萄です。
「シャインマスカット」「マスカサーティーン」「種なし黒龍」「安芸クイーン」
まるで宝石箱のような美しさ。


翡翠やエメラルド、黒曜石、ルビーのような大粒の葡萄が輝いています。
まさに豊穣の秋を物語る美しい宝石。
さあ、どれをいただきましょうか。
贅沢に迷いながら、まずは王様「シャインマスカット」からありがたくご賞味させていただきます。


おおお~~~!美しい。
沖縄やちむん「宮城陶器」のオーバル皿からはみでるほどの大きな房。
見るからに果汁がぱんぱんに詰まっていそうな張り詰めた翡翠色の粒が、たまらん。
日本の葡萄は、もうはや芸術品であります。


さあ、ゆく夏と来る秋に感謝しながら、宝石のような大きなひと粒をパクリ。
ぱきん、張り詰めた皮がお口の中で心地よく弾けた瞬間、
じゅっわぁぁぁ~~~!甘く香り高い果汁がお口の中にほとばしる。
あああ・・・・砂漠の旅の果てにたどりついた甘美なオアシスだ。

Ah~A~~~♫その瞬間、脳内に「VIVANT」の壮大なテーマ音楽が流れた。
堺雅人さん主演の日曜劇場part2が放送中。極秘諜報組織「別班」や各国のスパイが複雑に絡み合い、
誰が味方か敵がわからない複雑なストーリーにハマる人が続出するドラマでは
しばしば広大な砂漠のシーンがあのドラマティックな音楽とともに登場します。

なんかね、延々と果てしなく続く砂漠を駱駝に乗って移動する主人公乃木になった気分
喉は乾き、身体は砂にまみれ、体力気力の限界かと思われた時に緑のオアシスが現れる。
緑の葉が茂るオアシスには泉がわき、たわわな葡萄が実っている。
翡翠色のひと粒を口に頬張る。カラカラに乾いた喉を芳醇な果汁が潤していく。

いのうえオーチャードのシャインマスカット、あまりにも甘い果汁たっぷりで
脳内VIVANT現象が起こってしまった(笑)
そうです、葡萄は気温変化が激しい乾燥地帯砂漠のオアシスで生きてきた人々にとって
なくてはならない大切な果物として古くから栽培され、携帯食、保存食、交易の品として活躍した存在。

紀元前8000年のシリアの古代遺跡から葡萄が発掘され、紀元前2000年年頃にはフェニキア人が
し葡萄や葡萄酒などの製法をギリシャなどに伝え、紀元前4世紀頃にはシルクロード経由で
東方遊牧民に葡萄酒を伝えられたとされ、砂漠のオアシスと葡萄は不可分の関係でした。
葡萄を口にした瞬間、脳内「VIVANT」現象が起きるのも自然な流れかもしれない(笑)

たとえば中国新疆ウイグル自治区のトルファンは砂漠のオアシスの葡萄の産地として知られます。
昼夜の大きな気温差、乾いた気候、遠い山からの豊富な雪解け水が甘く、香り高い、おいしい葡萄を育むのだ。
伊万里のブドウ園の宝石のような葡萄を食む。
心は、オアシスにて。