93%+80%
4日ぶりの青空だ。
円山の森のセミが思い出したように朝から鳴きだしている。
そうだ、夏だった。
ずっと曇りがちで忘れていた?

こんなに夏の青空が広がっているというのに、
こんなに淋しいのはなぜだろう。
わかっているよ、ワールドカップが終わったからだよ。
夏はこれからなのに、ワールドカップロスの朝なのだ。
「無敵艦隊 黄金の新時代開く」「120分支配 無敵の証明」
朝刊各紙の大きな見出しがスペイン優勝を称えていました。
前回王者アルゼンチンを120分間支配、スペインのシュート数20本に対し、アルゼンチンは2本。
延長後半12分にメッシが放ったシュートが相手選手の顔面に当たって枠を外れたのがアルゼンチンにとって始めてのシュートだった。
スペインは磨き抜かれた個+組織力でメッシにまでボールを届かせなかった。完勝だった。
39日間の大会中、印象深い場面は数多くありました。
特に朝刊でも取り上げていましたが、今回のMVPの選手選考もそのひとつです。
大会の最優秀選手MVPに選ばれたのは得点王のエムバペでもなくメッシでもなく、スペインの主将ロドリ選手でした。
技術や判断が正確な30歳のMFは大会最多の799本のパスを出して成功率は93%。
走行距離も全選手トップの9万6233.71mを記録しました。
相手が寄せても焦ることなく的確で正確なパスを出し、守備でも1対1のデュエルで80%の勝率。
まあ、素人目にもロドリにボールが渡ると安心して観ていられるし、その確かなパスに舌を巻く。
ピッチを俯瞰で見回し自らのポジションを巧みに移動、するとチーム全体が連動し流麗に動く。
美しい。ロドリは優秀な渡り鳥の群れを指揮するコンダクターのように見えた。
93%+80%=MVP、なのだ。
元日本代表の戸田和幸氏もスペインの攻守の中核はロドリ選手だと朝刊記事で指摘しています。
優れた戦術眼でポジションを微調整しながら常にチームのバランスを整えている。
2010年優勝時もブスケツというすばらしい中盤の選手がいたが、
「こういった選手が日本にはいない」と。
いないのか・・・。戸田氏はさらに続ける。
今後、日本にメッシのようなすごいストライカーが出現したとしても、それだけでW杯8強やその先を望むのは難しい。
「サッカーの土台はもっと低い位置にあるからだ」。
そうか、だからこそのロドリ選手のMVPなんだ。
エムバペやメッシやハーランドのような怪物級のストライカーと
パス成功率とデュエル勝率を兼ね備えた中盤の仕事人の育成。
これからの日本代表がスペインから学ぶことはわかるし、
それが口でいうほど易しくないこともわかる。
それでも、4年後、その先の4の倍数ごとのW杯イヤーに向けて、
ブルーのユニフォームが黄金のワールドカップを抱く日を夢みている。
いつか現れるかもしれない。
93%+80%のサムライブルーが。
ロスから少し立ち直った夏の朝だった(笑)

夏だ。
沖縄だ。
オリオンビールだ。
サッカーに乾杯。


