香り遺伝子
7月最後の週末。
暑さは一休みのようですが、
夏だもの、やっぱり、餃子とビールでしょ、ってことで、
この週末のメインは、あの名品餃子を堪能しました。

「餃子のかわしも」
長崎県諫早市の家族経営の小さな工場で皮から手作りされている人気餃子は
すべて手作りゆえに注文から発送まで1~2か月はかかるそうですが、
息子夫婦が夫の父の日のプレゼントに贈ってくれました。
3種類届いた餃子のうち、先日は「角切り豚肉の水餃子」を味わい、感動。
この週末は残りの2種を楽しみましたよ。

こちらは夏季限定の「海老とスイートコーンの餃子」。
旬のスイートコーンを蒸して、皮を剥いて、実を削いで、粒のままとペースト状にしたものを
海老に混ぜ合わせて、手間をかけて包んだ贅沢な夏餃子。
もちもちの皮からスイートコーンの淡い黄色が透けて美しい。
お口に入れた瞬間に、じゅわっ!コーンの甘さと香りと海老の旨みが弾けます。マジ絶品。

こちらも季節限定の「香菜と青唐辛子の水餃子」。
爽やかな翡翠色の水餃子は香菜(パクチー)好きなパクチストにはたまらない一品。
パクチーの葉、茎、根っこまですべて使った水餃子はそれぞれの部位によって下処理の仕方も変えていて、
アクセントにピリリと辛い青唐辛子を使った、まさにひと手間、ふた手間かけたこだわりの逸品です。
香菜、パクチー、シャンツァイ、コリアンダー、これ、すべて同じもの。
地中海原産のパクチーの歴史は古く、陸路でヨーロッパ、シルクロードへ、航海によって南米、東南アジアへ広く伝わりました。
パクチーはタイ語、コリアンダーは英語、香菜(シャンツアィ)は中国語で
一般的には生食用をパクチー、完熟した種子を乾燥させて香辛料を「コリアンダー」と使い分けられているようです。
が、このパクチー、独特の香りが特徴で、人によって好き嫌いが分かれますよね~。
今ではエスニック料理でもよく使われますが、できればパクチー抜きにしたい人もいます。
そのワケはパクチーの香り成分である脂肪族アルデヒドという成分にあるとされ、
パクチー好きの人は新鮮で香ばしい柑橘系の風味と感じるそうですが、
そうでない人には石鹸のような風味に感じられるようです。
実はこのパクチーの香りには、遺伝子が大きく関わっているらしい。
アメリカの遺伝子解析サービスを行う企業がパクチーの味の感じ方に関連する遺伝子型を探索したところ、
匂い物質に関連する遺伝子(嗅覚受容体遺伝子)群の中にある遺伝子型「SNP-rs72921001」が
独特な芳香の感受性に関連していることが明らかになったのだそうです。
この「SNP-rs72921001」という遺伝子型は「C」を持っているほど、パクチーを石鹸のように感じやすい傾向があり、
①パクチーが苦手な可能性はより低めのタイプ:遺伝子型「AA]
②パクチーが苦手な可能性は低めのタイプ:遺伝子型「AC」
③一般的なタイプ:遺伝子型「CC」に分けられることがわかりました。
なんと、パクチーの好き嫌いには、遺伝子が関わっていたのか。
さらにユーグレナ社がゲノムデータをもとに遺伝子項目を解析したところ、
日本人の52.9%がパクチーが苦手な遺伝子型「CC」に該当していることがわかったそうです。
つまり、日本人のおよそ半数以上がパクチーが苦手、という結果です。
単なる好き嫌いじゃない、わがままでも食べず嫌いでもなく、遺伝子型だったのかぁ。
ちなみに「CC」型の割合はアフリカ集団64%、ヨーロッパ集団39%、東アジア集団47%、南アジア集団34%と
人種によって遺伝子タイプの割合に違いがあり、確かにエスニック料理の本場は「CC」型が少ない。
タイ料理、インド料理などでパクチーが活躍する理由がよくわかる。
ちなみに我が家は夫婦とも「CC」型、できればパクチーとは距離を置きたい遺伝子タイプだと思われ、
餃子のかわしもの「香菜(パクチー)と青唐辛子の水餃子」は最初、恐る恐る、お口に入れたのですが、
ん?・・・うん、パクチーの香りがする、確かにするが・・・あれ・・・美味いぞ・・・?
香りは感知するものの、水餃子自体の完成度、美味しさが、遺伝子型を上回ったような気がした。
つまり、美味しいのだ♪
美しいミントグリーンのヴィジュアルも手伝ったのか。
遺伝子が近い息子はパクチー好きのパクチスト。
親は「AC」よりの「CC」だったのか。
香り遺伝子が変容したのか。
とにかく、餃子のかわしもは、美味かった。
それが、文系の出した結論なり。
遺伝子を超える何かがこの世に存在する、ような気がした(笑)週末ごはんだった。


