その人

カーポベルデがアルゼンチンを相手に戦っている。
先制されるも、あきらめずに攻める。
そして同点ゴール、
勇敢な戦いは後半アディショナルタイムに入るところだ。

この文章を書いている途中で決着がつくだろう。
連覇を狙うメッシ率いるアルゼンチンか、初出場の小さな島国カーポベルデか。
サッカーは素晴らしい。
どの国も、がんばれ。


紫陽花が咲きました。
我が家のマンション前の紫陽花ロード、7月になって次々と開花。
美しい青の紫陽花ロード、毎年、うっとりする爽やかな光景です。
ひとつひとつ、咲き加減も違うし、土壌によって色も変わるけど、みんな美しい。

アメリカ先住民のポトワトミの人たちがこの風景を見たら、
こんな会話を交わすかもしれない。
「これは誰ですか?」
「その人は、紫陽花です」

今朝の天声人語がポトワトミの先祖を持つ植物学者ロビン・ウォール・キマラー氏の著作から教わった会話を紹介していました。
日本語でも英語でも、リンゴを指さし「これは何ですか」と問えば「それはリンゴです」と答えるが、
ポトワトミの言葉では違う。「これは誰ですか」「その人はリンゴです」。
山も水も炎もすべては魂を持ち、人間と等しく生きている、それが彼らの思想である、と。

1本の木も、1輪の花も、彼であり、彼女である。
その人はポプラであり、あの人は紫陽花なのだ。
人間と同じ魂を持つ愛しく大切な存在。
だから、いたずらに木を切り、花を折ることはできない。

万物に魂が宿るというポトワトミの言葉。
山や森や木や花や土や水や鳥や動物や、そして人間と「対話」を重ねてお互いを尊重して生きていくという哲学が貫かれている。
「その人は」と考えたら、ねじ伏せたり、攻撃したり、侵略はできないはずだ。
「これは誰ですか」「その人は○○です」の世界では戦争は起こりえなくなる。


7月の紫陽花さんを眺める。
手毬のような大輪の花は一つ一つの小さな花びらに見えるガク片(装飾花)が集まったもの、
装飾花の中心にある小さな粒が本当の花(真花)。
青紫色の美しい花の集まりは、たくさんの人々が団欒をしているようにも見えます。

紫陽花は花の色が変わることから「移り気」「辛抱強さ」などの花言葉がありますが、
小さな花が集まって咲く様子から「和気あいあい」「団欒」という花言葉もあります。
7月の空を映したかのような美しい青紫のその人たちは何を語らっているのでしょうか。
「カーボベルデ、勇気あるね」「アルゼンチンの底力、やっぱ凄いね」
決勝トーナメントの熱戦に夢中になっているかもしれないな。

ピーッ!120分間の死闘が終わった。
アルゼンチン―カーポベルデ戦は延長前後半まで戦って3-2でアルゼンチンが勝利。
二度くらいついたカーポベルデのサッカーに世界が夢中になった。
前回優勝国を相手に恐れずボールをつなげて攻め上がる姿は「勇気」そのものだった。

ワールドカップ。
どの人も素晴らしい。
全力を尽くして走る続ける人たちよ。
「その人」に賞賛を。