鯛と柑橘
北海道の初夏はおいしい。
春夏秋冬、おいしいけれど、とりわけ清々しくおいしい季節なのだ。
産地から続々とおいしいお便りが届く。
チューリップが美しい湧別町からも初夏の恵みが到来。

初夏の緑の宝石、グリーンアスパラガスです。
みずみずしい緑、すっくと伸びたお姿、柔らかそうな穂先、季節の恵みですね~。
北海道の人はこんなにおいしいお野菜を日常的に食べられる幸せから「アスパラ」と短く呼びますが、
道外の人々はその稀少性から「アスパラガス」とフルネームで呼ぶことが多い。
今一度、アスパラの産地に暮らすありがたさに感謝せねばなりませぬ。
初夏にお似合いの爽やかな前菜の定番があります。

「鯛とグレープフルーツのカルパッチョ」。
ご近所スーパーで愛媛県産の鯛をみかけたので爽やかなルビーグレープフルーツと合わせてみました。
グレープフルーツの実を細かく刻み、ホワイトバルサミコ、オリーブオイル、少々の蜂蜜と塩を合わせたソースを
極薄切りにし、さっと塩を振った鯛の上にかけ、ディルを散らしたら出来上がり。
上品な鯛の旨みと爽やかな柑橘の香りと酸味と甘みがベストマッチ。
鯛と柑橘って抜群に相性が良い「出会いのもの」。
柑橘の酸味成分クエン酸などがお魚のくさみ成分を中和する効果があり、
お互いがお互いを引き立て合う最高のマリアージュを醸し出すのですね。
初夏から夏にかけて「日向夏:や「河内晩柑」などおいしい柑橘がお目見えする季節になると
白身魚と柑橘のカルパッチョが食卓に上る登板回数がぐんと増えます。
カルパッチョは1950年代にイタリアのヴェネツィアの名店「ハリーズ・バー」で誕生したもので、
生の牛ひれ肉の薄切りに白いソースをかけた料理を画家カルパッチョが好んだ、
またはその色合いが作風に似ていたなどが料理名の由来とされています。
そのカルパッチョが日本に伝わり、刺身文化と融合して、新鮮な生の魚介類を使った一皿として
広く親しまれるようになったと言われています。
豊かな食材にめぐまれ、高い料理技術の歴史がある日本は、やはりアレンジの天才。
新鮮なお魚とおいしい柑橘類が出会った季節に感謝感謝です。
鯛と柑橘。
初夏の出会いのもの。
ちなみに鮪に出会ったら、柑橘ソースにちょっとお醤油を加えると抜群に合います。
海と柑橘畑、その美味しさは無限大なり。


